2014.7.15 東富士オスプレイ初飛行・抗議行動

 

米軍普天間基地のオスプレイがキャンプ富士へと初飛来することが明らかになり、富士を撃つな!実行委員会は、飛来当日に抗議行動をおこなった。東富士は岩国とともにオスプレイの訓練拠点に予定されている。その東富士への初飛行であるが、人員輸送のためとされ、本土への輸送の訓練の始まりを示すものだった。キャンプ富士へは米軍厚木基地経由で到着するが、中継地の厚木は整備訓練の場にもなる。

7月14日、静岡県知事へとオスプレイ反対の意思表示を求める要請書を送った。7月15日、13時にキャンプ富士近くの御殿場市の桜公園に集合した。抗議団は静岡県平和・国民運動センターと合わせて20人。陸自滝ヶ原駐屯地前に移動して、滝ヶ原の広報担当者に首相・防衛大臣あてのオスプレイ反対の要請書を読んで渡した。その後、対面のキャンプ富士前に移動して、USA大統領・キャンプ富士司令官宛の要請書を読んだ。米軍側は対応しないので、要請書を入口におき、オスプレイ反対、基地反対を英語でコールして、キャンプ富士の滑走路前で監視行動に移った。

キャンプ富士の滑走路前には、オスプレイに反対する地元住民の会のテントをはじめ、報道関係の中継車、物見の市民など200人ほどが集まった。抗議する市民の数は50人ほどになった。すでに12時には普天間基地からオスプレイ1機が厚木に向かって飛び立っていた。この日は、米軍の実弾訓練も東富士演習場でおこなわれていて、時折、発射音が響いた。

米軍普天間基地から厚木基地までは1500キロ、オスプレイは最高速度520キロであるが、15時30分ころに厚木飛行場に到着した。普天間から3時間半の飛行で厚木についているわけであり、平均時速は4百数十キロほどであろう。オスプレイの配備によって、より長く、より早く、より多くを輸送できるようになり、日本全体を飛行訓練場にするというわけである。厚木周辺では厚木爆音訴訟団や神奈川平和運動センターなど市民団体が抗議行動をおこなった。オスプレイの厚木着の報を聞き、キャンプ富士前でもオスプレイ反対のコールを繰り返された。

  
 

オスプレイは厚木での1時間ほどの整備の後、16時30分に厚木を出発して御殿場の東富士演習場にある米軍キャンプ富士へと向かった。厚木出発の報を聞き、キャンプ富士前では抗議のコールがはじまった。16時45分ころ、キャンプ富士近くにオスプレイのプロペラの旋回音が響いた。来たぞ!という声が響き、抗議団はコールの声を強めた。

ボン!ブン!ボン! ボン!ブン!ボン!と、着陸態勢に入ったオスプレイの非常に大きなプロペラの旋回音が響いた。オスプレイは抗議団の頭上を通過し、米軍キャンプ富士内の滑走路に着陸した。オスプレイの機体が通過する際には、オスプレイに反対するシュプレヒコールの声が揉み消されるようだった。プロペラの大きな旋回音と薄暗い機体の腹は異様な圧迫感を感じさせるものだった。それに負けまいと、抗議団はいっそう声を強め、オスプレイ反対のコールをあげた。オスプレイは着陸して駐機場に向かったが、その間、抗議団はこぶしを突き上げて、オスプレイに届けと、反対のさまざまなコールを繰り返した。  

7月に入っての、集団的自衛権行使容認の閣議決定、岩国への普天間からの空中給油機の移転、辺野古での新基地建設の開始という動きのなかで、オスプレイの移動訓練が始まった。オスプレイはこの日米共同の軍事展開を象徴する軍用機である。

また、日米安保と地位協定によって、米軍機は低空飛行などの自由な飛行を認められ、日本の航空法の適用は除外され、日本での安全基準や飛行高度の制限を受けない。自治体の意思などは無視され、住民の安全よりも軍事が優先されるのである。このオスプレイは、日本の空をアメリカが自由に使っているという無法を象徴するものでもある。

この軍用機と日米安保へのNO!の声を強めよう。           (T)

 

以下要請書

 

日本国首相様 防衛大臣様                2014年7月15日

USA大統領様 キャンプ富士司令官様         富士を撃つな!実行委員会

 

東富士へのオスプレイ飛来に抗議し、配備の中止を求める要請書

 

アメリカ政府は2012年に沖縄の普天間基地にMV22オスプレイを配備し、岩国と東富士をオスプレイの拠点にしようとしています。このオスプレイは輸送量と輸送距離を強化する軍用機であり、グローバルな戦争にむけての日米共同作戦態勢の強化を象徴するものです。

2014年7月15日、オスプレイは厚木経由で東富士に飛来することになりました。わたしたちはこのオスプレイの東富士への飛来に強く抗議し、その配備の中止を求めます。

さらにオスプレイは7月19日に横田を経由し、20日に札幌の陸自丘珠駐屯地に飛来しようとしています。また7月には、普天間基地の空中給油機の岩国への移駐がはじまり、辺野古の新基地の陸上部分の工事もはじまっています。自衛隊は来年度予算でオスプレイを購入することも予定しています。このような軍拡の背景には、アメリカのグローバルな戦争計画による新たな軍事展開と日本の自衛隊のアメリカ軍の後方部隊への組み込みがあります。日本の集団的自衛権行使容認は、このような軍事展開と軍事力の行使にむけてのものです。

しかし、このような軍事展開とその行使は、日本国憲法を無視し、米軍施設の返還という自治体の要求を無視し、住民の平和を願う声と安全を無視するものです。オスプレイの配備の強行とオスプレイの全国各地への飛来は、憲法と主権者の意向を無視する不法・不当な行為です。

わたしたちは静岡県の市民団体として、東富士へのオスプレイ飛来に強く抗議し、配備の中止を求めます。

 

““Don’t Shoot Mt. Fuji” Executive Committee

July 15, 2014

 

A Petition to Stop Flying and Deployment of Ospreys to Higashi-Fuji

 

Dear Prime Minister of Japan, Defense Minister of Japan, Mr. President of the United States and the Commander of the Camp Fuji,

 

In 2012 the US Government disposed the MV22 Ospreys in the Base Futenma, Okinawa, and would make Iwakuni and Higashi-Fuji strongpoints.  The Osprey is a warplane which enables to increase the amount and the distance of transportations.  It is the symbol of the reinforcement of the Japan-US tie to prepare global wars.

     July 15th, 2014, the Osprey comes to Higashi-Fuji by way of the Base Atsugi.  We strongly oppose its flight and demand its deployment.

     Furthermore, the Osprey is going to fly to Sapporo on July 20th by way of Yokota.  In July, relocation of the air-to-air refueling planes from Futenma to Iwakuni started.  Construction of the land part of the new Base Henoko also started.  The Self-Defense Force is scheduled to purchase’s the Ospreys.  The background of these movements is the White House’s global war plan and the incorporation of the SDF as the rear unit of the US arms. The recent approval of Japanese government’s resorting of the collective self-defense right is parallel of these movements.

     However, these military spread-out and its resorting is disregard of the Constitution of Japan; disregard of the local governments’ demand of returning the US military facilities; disregard of the people’s demand for peace and security.  The enforcement of the Ospreys’ deployment and their flight to various places is the illegal and unjustified act, disregarding the Construction and the sovereigns’ wishes.

     We, as a citizens group of Shizuoka Prefecture, are resolutely against the Osprey’s flight to Higashi-Fuji and demand its deployment.

Yours Sincerely,

 

“Don’t Shoot Mt. Fuji” Executive Committee

 

 

                   2014年7月14日

静岡県知事様                      富士を撃つな!実行委員会 

静岡県知事が日米政府に東富士へのオスプレイ配備の中止を申し入れることを
                   求める要請書

 

2014年7月15日、オスプレイが厚木経由で東富士に飛来することになりました。わたしたちはこのオスプレイの東富士への飛来に強く抗議し、その配備の中止を求めています。

オスプレイは7月19日に横田を経由し、20日に札幌の陸自丘珠駐屯地に飛来しようとしています。また7月には、普天間基地の空中給油機の岩国への移駐がはじまり、辺野古の新基地の陸上部分の工事もはじまっています。自衛隊は来年度予算でオスプレイを購入することも予定しています。このような軍拡の背景には、アメリカのグローバルな戦争計画による新たな軍事展開と日本の自衛隊のアメリカ軍の後方部隊への組み込みがあります。日本の集団的自衛権行使容認は、このような軍事展開と軍事力の行使にむけてのものです。

しかし、オスプレイをはじめとする軍事展開は、日本国憲法を無視し、米軍施設の返還を求める静岡県の県是を無視し、住民の平和を願う声と安全を無視するものです。オスプレイの配備の強行とオスプレイの全国各地への飛来は、憲法と主権者の意向を無視する不法・不当な行為です。世界遺産である富士山の麓での戦争訓練は今すぐ中止すべきです。

わたしたちは、静岡県知事が平和を求める市民の声に応えてオスプレイ反対の意思を表示し、日米政府へと東富士へのオスプレイ配備の中止を申し入れることを求めます。