おかしいぞ! 静岡県警。検察。裁判所!

天竜林業高校の贈収賄事件は、冤罪だ。

 

 2022年7月18日、浜松市天竜区で、再審請求中である北川好伸元校長の支援集会が開かれ、参加者は70人を超えた。事件は14年前の2008年4月、静岡県教育委員会への内部告発から始まった。内部告発の内容は、天竜林業高校の当時の校長であった北川さんが4人の教員たちに大学推薦入試の調査書を改ざんするように‘働きかけ’をしたというもの。同年7月24日、県教委は北川さんを天竜警察署に刑事告発した。8月22日、警察は北川さんを虚偽有印公文書作成で逮捕。さらに9月24日、警察は北川さんを元天竜市長の中谷良作さんから孫の進学に便宜を図るよう依頼されて20万円を受け取った加重収賄で再逮捕。同日、中谷さんも贈賄で逮捕。そして北川さんの不当な勾留期間は、2009年7月31日に保釈になるまでの315日に及んだ。

 2009年11月の静岡地裁浜松支部の一審判決は、懲役2年6月執行猶予4年追徴金20万円の不当判決。2010年6月の控訴審(東京高裁)判決は、控訴を棄却。同年12月の上告審(最高裁)決定は、本件上告を棄却。納得できない北川さんは、2014年4月、静岡地裁浜松支部に再審請求をしたが、2016年10月、静岡地裁浜松支部が再審請求を棄却。さらに2021年3月、東京高裁が即時抗告を棄却したため、同年4月、最高裁に特別抗告を申立て、現在に至っている。

また、もう一人の冤罪事件の被害者である元天竜市長の中谷さん(90才)は、集会の挨拶で「厳しい県警の取り調べが40日間続き、刑事の言いなりになった」と述べた。中谷さんは、刑事の厳しい取り調べで虚偽の自白をしたことを悔い、2020年10月16日、中谷氏自身が再審査請求を申立てている。

集会では、北川好伸氏弁護団の海渡雄一さん、海渡双葉さんが「天竜林業高校事件 最高検による取調べメモ開示と、これからの展望」というテーマで話してくれた。話しの最後に、「これまでの静岡地裁浜松支部の再審棄却決定および東京高裁の抗告棄却決定は、検察が開示すべき証拠を開示せず、検討しなければならなかった証拠を検討できないままに言い渡されたということになり、原決定の破棄は必至である。あわせて弁護団では、平成19年12月10日に関する捜査記録について追加の証拠開示を請求した。この点について証拠開示が実現すれば、中谷氏とXが会えなかったことが、より鮮明になるものと考えている」とまとめた。北川さんも中谷さんも、捏造による冤罪事件で人生を壊された。無実であることを明らかにさせよう。                     

(M)