沖縄報告7.21~25
2023年7月21日、沖縄現地で「命ぬ水(ぬちぬみじ)」を鑑賞しました。この映画は復帰50周年を記念して琉球朝日放送が制作したものです。今でも、琉球朝日放送のホームページで、全編見ることができますので是非ご覧になってください。
さてここでは、鑑賞後開かれた座談会の報告をします。出席者は映画にも出演している元高校教師の伊波義安さん、琉球朝日放送のディレクターの島袋夏子さん、司会役のシアタードーナツ・オキナワ代表の宮島真一さんの三方でした。
島袋さん「2016年から取材を始めた。大変大きな反響を呼んだ。アメリカのハーバード大学、コネチカット大学、ジョージワシントン大学、ハワイ大学等で上映した。」「2016年、県企業局が記者会見して、局長は嘉手納が基地汚染源であると言っていた。」「水道水は日本の基準値には合っている。しかし、各国で基準値は様々でありどれが正しいのかわからない。癌や小児、胎児の成長不良、低体重児、免疫機能の低下、甲状腺疾患等、人の体に悪い影響が懸念されている。多摩地区は沖縄よりもひどい状況である。」
伊波さん「2016年頃、ダイオキシンやPCB等のことには興味があったが、PFASについてはあまり問題意識がなかった。当時、北谷、比謝川、大工廻川(だくじゃくがわ)の汚染は報道されていた。2019年5月のNHKの放送を見て気持ちが代わって、本腰を入れて取り組まなければならないと思った。「知らない怖さ」、「知らされない怖さ」を感じた。」「1980年代、水道水は大丈夫だったのだろうか。知らなかったから水道水をガブガブ飲んでいた。45万人がPFASで汚染されていた北谷浄水場から供給される水道水を飲んでいた。今は汚染されていない北部のダムから取水している。これも県民が立ち上がって声をあげたからだ。80年代、小泉先生が美里の人たちから採血した血液をストックしておいてくれた。これを調べてみると、当時から汚染が進んでいたことが分る。」「PFASを吸収すると言われている粒状活性炭も厚労省は効果がないと言っており、京大では他の物が混ざっていると取り除けない、企業局も効果があるのか答えられないと言っている。沖縄では、使用済み活性炭は焼却処分しているが、アメリカでは許可されていない。PFASは分解されないため根本的な解決が必要である。汚染源を断つしかない。泡消火剤はまだ基地内にあるはずだ。海や畑の汚染はどうなるのだろうか。PFASの問題も基地問題になる。」
映画は20日、21日、4回ずつ計8回上映されました。私たちはその最終回で鑑賞しました。夜、遅くなっていましたが80名程度の人が観ていました。伊波さん、島袋さんの発言を熱心に聞いて、うなずいている人が大変多かった印象があります。沖縄の人たちは、基地問題にしても、PFASの問題にしても、自分のこととして考えていることがよくわかりました。
土曜日は安和桟橋だけ行動があるということで、22日は桟橋に向かいました。桟橋の交差点では、右折しようと待機しているトラックが30台ほど並んでいました。今は一度の青信号で右折、直進合わせて3台が桟橋内に入っていきますが、4台目のトラックが入るのを阻止するかどうかという攻防です。たまに左折するトラックも入ってきます。10時過ぎに着いてみると女性がたった一人で阻止行動をしていました。朝、7時から行動していると聞きました。炎天下、マイクはつけていましたがずっと話しながら、横断歩道をゆっくり行ったり来たりしてトラックが入るのを阻止するのですが、体力的に大変きつい。私たちは4人で休みながら12時半まで付き合いましたが、女性は12時まで一度も休みませんでした。
月曜日はキャンプ・シュワブゲート前行動に参加しました。8時半から集会が始まり、9時にトラックが入って来ます。トラックは20台程度でした。以前のようにゴボウ抜きはなく、激しい攻防はありませんでした。10時過ぎに一旦テントに帰り集会。沖縄県外からは私たち4人だけの参加でした。発言を求められ「(浜松基地の)PFAS問題」「マイナ保険証の問題」「清水こがね味噌冤罪事件」のことを報告しました。行動参加者は50人ほどでした。
名護市街からキャンプ・シュワブへ向かうとき、シュワブ手前500mのところに第4ゲートがあります。今、この近辺で美謝川切替工事が行われています。この工事は渡具知名護市長が市条例を無視した違法工事です。ゲート前行動の合間にこちらのトラック搬入を阻止する行動も行われていました。
今回は7月21日(金)から25日(火)まで、4人で行ってきました。夏は工事阻止行動に多くの人が参加している印象を持っていましたが、ずいぶん減っているように感じました。しかし、行動に参加している人たちは明るくふるまっている中にも、並々ならぬ決意を持って行動している、と感じました。今回も、多くのことを沖縄の人たちから学ばせてもらいました。沖縄は今、本島以外にも南西諸島が大変なことになっています。多くの人が沖縄に関心をもってもらいたいと思いました。 (池)