ピースサイクル 浜松市要請行動

ピースサイクルは、2023年7月21日の14時から浜松市に対して要請行動を行った。浜松市は市民生活課長と担当者の2名が対応した。事前に要請書を送付してあり、回答は項目ごとにおこない、文書で行うことを依頼しておいた。
 要請項目は以下である。 1 浜松市長は、平和都市宣言の趣旨にのっとり、平和行政・平和教育をすすめること。2 浜松市長は、航空自衛隊浜松基地の撤去、およびAWACSとPAC3の廃棄を国に要請すること。3 浜松市長は、浜松基地に移転された美保教育飛行隊の飛行回数を減らすように基地に要請すること。また、移転後の離着陸回数および騒音状況を明らかにすること。4 浜松市長は、自衛隊への市民の名簿などの個人情報の提供をやめること。また、過去3年間の提供件数、提供方法を明らかにすること。5 浜松市長は、PFASの調査結果及び原因を明らかにすること。6 浜松市長は、浜松市として浜松空襲死亡者の氏名を刻んだ追悼碑を建てること。7 浜松市長は、中部電力浜岡原子力発電所の廃炉を要請すること。8 浜松基地を縮小させ、外周道路(片側1車線)を、片側2車線に拡張すること。

 浜松市の回答文書は、ほんの数行のものであり、納得いくものではなかった。「主権者たる市民を愚弄するもの」と強く抗議し、従前どおり項目ごと文書で行うよう求めた。浜松市は、「検討し、2週間以内に何らかの回答をする」ということであった。
 

口頭での回答では、騒音増加については防衛省のホームページを見ろというので、具体的な数字を提示させた。PFAS汚染についても現在調査中というので、これまでの判明数値を示すように問い直した。自衛隊に個人データをCDに入れて渡していたが、今年からは宛名ラベルで渡すようにしたとのことだった。原発や基地については国の責任、国の判断とし、独自の見解を示そうとはしなかった。

浜松市の対応は不誠実であり、再回答の内容によっては要請行動を行う予定である。

 

 航空自衛隊浜松基地 要請行動

 7月21日16時から航空自衛隊浜松基地の正門で要請行動を行った。日米のグローバルな軍事協力の強化がすすんでいる。今後も反戦平和を呼びかけていきたい。PFASについては浜松基地周辺で汚染が判明している。今後の詳細な調査が必要である。
 要請書は以下である。

 ピースサイクルは、戦争と核のない平和な世界を願い、その願いを自転車で伝える平和運動です。毎年6月から8月にかけ、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキに向けて、自転車で全国の人とつながり、反戦・反核、平和、人権、環境保護をアピールしています。

 浜松基地では、過去に自衛隊機が基地周辺に墜落するという事故が起きました。空飛ぶ司令塔であるAWACSは戦闘を指揮する機能を持つ軍用機であり、配備により、浜松基地は攻撃の拠点となりました。ミサイル防衛の名でPAC3も配備されました。

 さらに、2015年の日米防衛協力指針の改定と安保法(戦争法)の制定により、自衛隊はグローバルに展開し、米軍と共同し、海外で戦争をおこなえるようになりました。それにより、自衛隊の訓練も強化されています。浜松基地には2021年10月に美保の教育飛行隊(T400・10機)が移転し、離着陸回数が増え、騒音など、市民の生活環境が悪化しました。浜松基地の離着陸回数は前年度比で約5000回増えました。浜松基地周辺の市街地化はすすみ、これ以上の騒音の増加と危険の拡大は、市民の生活権を侵害するものになります。このような基地機能の拡張ではなく、その縮小・撤去を求めます。
 また、防衛省は自衛官募集の目的で、浜松市に対し、住民の個人情報の提供を依頼しています。これは個人情報の自治体からの不当な収集であり、中止すべきです。

 なお、浜松市内を流れる新川と伊佐地川で暫定指針値を上回る発がん性が疑われる有機フッ素化合物「PFAS」が検出されました。PFASは米軍など軍事基地周辺で問題になるケースが相次いでいます。新川、伊佐地川での汚染と浜松基地との関連も指摘されています。浜松基地は地域住民の健康のため浜松市の原因調査に協力すべきです。

 わたしたちは、自衛隊をグローバルに派兵し、集団的自衛権の行使や敵基地攻撃などを主張し、米軍と共同作戦を進める動きについては、中止すべきと考えます。憲法第9条の理念をふまえるべきであり、浜松を再び戦争と派兵の拠点としてはいけません。

よって以下を要請します。

                 記

1  浜松基地の縮小・撤去をすすめ、AWACS、PAC3を撤去すること

2  浜松基地の航空機の夜間飛行を中止するとともに、離発着回数を減らすこと

3 自衛官募集のための市区町村への個人情報の提供依頼をやめること

4 浜松市の「PFAS」汚染調査に協力すること







以下、浜松市への要請書

 

                                        2023年7月21日

浜松市長 中野祐介 様 

                                         ◎ ピースサイクル浜松

                                            ◎ NO!AWACSの会浜松

               平和行政の確立を求める要請書

 

私たちピースサイクル全国ネットワークは、自転車で反戦・反核、平和、人権、環境保護を訴えている平和運動です。各地の自治体を訪問し、平和行政の確立を要請しています。ピースサイクルは、浜松市に対し、毎年「要請書」を提出してきました。その要請での浜松基地や浜岡原発に関する市の回答は、「国の責任において」というものです。このような回答は、市民の平和と安全に向けての地方自治の責任を放棄するものです。原発や軍事基地に対して、浜松市は平和都市宣言の趣旨にのっとり、積極的に提言すべきです。

浜松市長が16年ぶりに交代し、中野新市長は就任会見で、「市民とともに歩む市政でありたい」「お任せ民主主義で地域が発展する事例はないはず。市民も市政に関心を持ち、関わってもらいたい」と語りました。地方自治での民主主義と福祉増進の観点から、以下の要請に誠実に答えることを求めます。

浜松基地では、過去に自衛隊機が基地周辺に墜落するという事故が起きました。空飛ぶ司令塔であるAWACSは戦闘を指揮する機能を持つ軍用機であり、配備により、浜松基地は攻撃の拠点となりました。またミサイル防衛の名でPAC3も配備されました。さらに2015年の日米防衛協力指針の改定と安保法(戦争法)の制定により、自衛隊はグローバルに展開し、米軍と共同し、海外で戦争をおこなえるようになりました。それにより、自衛隊の訓練も強化されています。浜松基地には美保教育飛行隊が移転し、離着陸回数が増え、騒音など、生活環境が悪化しました。

わたしたちは、憲法第9条の理念をふまえ、浜松をふたたび戦争と派兵の拠点としてはならないと考えます。浜松基地の強化は、日本国憲法第9条と浜松市の平和都市宣言の精神に反するものです。浜松市長は、平和行政を進める自治体と連携し、市民のための平和行政を積極的に推進すべきです。基地の縮小・撤去についても課題とすべきです。

近年、有機フッ素化合物(PFAS)による水の汚染が全国で相次いでいます。PFASは環境中や人体に長く残るため、「永遠の化学物質」とも呼ばれています。人体に蓄積した場合、がんや子どもの発育阻害などとの関連が指摘されています。浜松市でも新川と伊佐地川から、暫定指針値を上回るものが検出されました。井戸水・水道水の汚染調査も必要です。浜松基地周辺の調査を強化し、拡散防止策を急ぐ必要があります。

浜岡原発は現在、停止していますが、中部電力は再稼働を狙っています。再稼働し、大事故が起きれば、浜松市も深刻な汚染に見まわれ、市民は生活の場を失います。浜岡原発の廃炉を求めるべきです。

 

    記

 

1 浜松市長は、平和都市宣言の趣旨にのっとり、平和行政・平和教育をすすめること。

2 浜松市長は、航空自衛隊浜松基地の撤去、およびAWACSとPAC3の廃棄を国に要請すること。

3 浜松市長は、浜松基地に移転された美保教育飛行隊の飛行回数を減らすように基地に要請すること。また、移転後の離着陸回数および騒音状況を明らかにすること。

4 浜松市長は、自衛隊への市民の名簿などの個人情報の提供をやめること。また、過去3年間の提供件数、提供方法を明らかにすること。

5 浜松市長は、PFASの調査結果及び原因を明らかにすること。

6 浜松市長は、浜松市として浜松空襲死亡者の氏名を刻んだ追悼碑を建てること。

7 浜松市長は、中部電力浜岡原子力発電所の廃炉を要請すること。

8 浜松基地を縮小させ、外周道路(片側1車線)を、片側2車線に拡張すること。