02年日米統合軍事訓練と東富士での共同訓練
* 02年日米統合軍事訓練の状況 新ガイドラインのもと、日米の軍事協力がすすんでいる。11月の海空自の総合演習は日米統合演習(軍事訓練)の一環としておこなわれ、臨検・兵站支援・邦人救出なども組み込まれている。また陸自は米軍との共同訓練を日出生台、東富士でおこなう。米軍がイラク攻撃をすすめるなか、11月には海外での軍事作戦を想定し、日本全土で共同訓練がおこなわれていくことになる。 空では、11月11日から22日にかけて空自約430機が参加して総合訓練をおこない、築城・新田原・春日の基地では日米共同訓練をおこなう。すでに10月29日30日には三沢の米軍F16と空自F15・F4・AWACSが共同訓練をおこなっている。 海でも11日から22日にかけ艦艇20隻、航空機50機で総合訓練がおこなわれ、11月13日から22日にかけては米艦10隻との共同訓練がおこなわれる。11月19日から30日にかけては日米掃海特別訓練もおこなわれ、海自艦艇26隻(掃海母艦2 掃海艦3 掃海艇21)と米海軍水中処分員7人が参加する。 陸では11月8日から21日にかけ東富士で第一師団(練馬)とハワイの米第25軽歩兵師団とが対戦車弾やへりを使って共同訓練、11月11日から21日には日出生台・十文字原で第4師団(別府)と沖縄の米第3海兵師団とが155ミリ砲・へり・対戦車弾などを使い訓練をおこなう。すでに陸自は9月、ワシントン州に260人を派遣して戦車・対戦車弾の訓練をおこない、9月23日から10月4日にかけては、陸自第1師団34普連(御殿場・板妻)がハワイの施設でソマリアでの実戦経験のある米陸軍部隊と市街戦の共同訓練をおこなってきている。 ソマリアでの米軍による拉致、襲撃、大量殺害の活動については「ブラックホークダウン」に描かれているが、陸自はこのような活動をおこなってきた米軍とともに市街戦の訓練を公然とおこなうようになった。 今回の日米統合軍事訓練では、航空機や船舶による在外邦人救出輸送訓練が厚木・館山・入間・横須賀でおこなわれ、米軍と連携しての航空救難訓練が岩国・美保でおこなわれる。また臨検や「後方支援」活動もおこなわれるという。 新ガイドラインで示された、日米連合作戦本部(調整メカニズム)のもとで、臨検・掃海・情報提供・邦人救出・兵站支援などの訓練がおこなわれていくことになる。これは集団的自衛権行使のための訓練であり、アジアの平和を威嚇し、アジア民衆の殺戮につながる訓練といえるだろう。またアフガン・イラクへの米軍の攻撃にたいし日本が支援することを意思表示するものであり、日朝の平和的交渉、南北の平和的統一をもとめる動きにも反する動きである。 * 富士を撃つな!11月行動 東富士での日米共同訓練は1993年以来9年ぶり7回目である。旧ガイドラインのもとで1981年に2回の海兵隊との通信訓練がおこなわれ、82年には米陸軍との指揮所訓練・実働訓練がおこなわれてきた。85年には米陸軍との指揮所訓練、実働訓練がおこなわれた。この年の訓練は日米計3000人が参加した大規模なものであった。87年には海兵隊、93年には第25軽歩兵師団との実働訓練がおこなわれてきた。90年代には米軍による155ミリなどの通常の訓練が増加していった。 1998年2月からは沖縄104訓練が東富士ではおこなわれ、移動には民間の飛行機や車両が使われてきた。一方、自衛隊は東富士に対都市ゲリラ戦用施設をつくった。戦後史をみると、米軍は東富士での訓練のち、朝鮮・ベトナム。西アジアへと派兵されていった。この米軍によって生命を失ったアジアの人々の数は計りしれない。 今回の日米共同訓練にたいし、11月4日御殿場市で、日米共同訓練反対・富士を撃つな!11月行動が取り組まれた。県内3市民団体の呼びかけにより、県内各地から30人が参加し、集会とデモをおこない、米軍キャンプ富士と自衛隊滝ヶ原駐屯地へと要請行動をおこなった。要請に対し米軍側は対応しなかった。自衛隊側は鉄柵を閉じその内側で対応しようとしたが、行動団の説得により外に出て文書をうけとった。韓国・沖縄・日出生台・愛知・関西・京都・東京の平和団体からは集会へとメッセージが寄せられた。この日は米軍の先発隊が滝ヶ原駐屯地に入った日だった。 今後も各団体による抗議行動が予定されている。日米の軍事協力は海外での軍事作戦を想定して拡大している。この動きは自衛隊員に「本当にこれでいいのか」という想いを抱かせるものである。軍事の突出にたいし、各地での反戦平和にむけての取り組みがもとめられる。 |
2002年11月1日
静岡県知事 石川嘉延様
沖縄・東富士に基地はいらない三島市民の会
平和と人権のための市民行動・静岡
NO!AWACSの会・浜松
要 請 書
2002年11月8日から2週間の予定で、東富士演習場で日米共同訓練が9年ぶりにおこなわれようとしています。私たちはこの日米共同訓練の中止を強くもとめます。
東富士での日米共同訓練は9年ぶり7回目であり、計画によると歩兵部隊は日本側が約600人、米国側が約500人の計1,100人が参加、84ミリ無反動砲や多用途ヘリコプターも使用するとのこと。
これまでも東富士演習場では米軍海兵隊の実弾砲撃訓練(沖縄104号移転訓練)が今までも4回おこなわれてきました。その内容も、訓練では夜間砲撃もおこなわれ、飛距離も沖縄より長くなります従来2〜3倍の訓練内容となっています。民間の航空機・バス・トレーラー・船も海兵隊の移動のために動員されてきました。
東富士での訓練強化の動きは米軍基地の撤去をもとめる県民のねがいに逆行するものです。富士山は世界有数の美しい山です。私たちはこの富士周辺でおこなわれている全ての軍事訓練の中止と軍事基地の撤去をもとめるものです。日米新ガイドライン下での米軍実弾訓練は民間を動員しながら、アジアの人々を殺すための訓練にほかなりません。
県知事は今すぐ訓練の中止を訴え、キャンプ富士の返還にむけて行動すべきです。
富士を戦争の訓練場ではなく平和の象徴として下さい。
以下、要請します。
1.東富士での日米共同訓練の中止を求めること
2.キャンプ富士の撤去にむけてのプランを作成し政府に申し入れること
3.新ガイドライン・周辺事態法による自治体・民間動員に反対の意思を 示すこと
富士を撃つな!日米共同訓練反対!11月行動 |
1993年以来9年ぶり7度目の日米共同訓練が東富士で行われる。通常訓練、共同訓練、104訓練の三種の演習が東富士に集中する事になった。1993年に行われた共同訓練には、ハワイの米陸軍と陸上自衛隊計約1400人が参加されて行われている。 ハワイの米陸軍第25軽歩兵師団は有事の際の緊急展開部隊である。
93年の演習では東富士だけでなく北富士演習場も使って行われている。今回の演習についての内容・人員・規模は明らかではないが、前回とかわらないとの発表がある。とすれば前回同様かそれ以上の規模で行われるのは間違いないだろう。 日米共同訓練は陸上自衛隊と米陸軍の共同作戦を実施する際の相互連携の強化を目的におこなわれるものだ。現在アメリカ=ブッシュによる「悪の枢軸」を殲滅する、具体的にはアフガンへの空爆が今でも続き、さらにイラクのフセイン政権をつぶし親米政権をつくりあげて石油利権をまきあげ、世界的に強いアメリカを頂点とするグローバリズムを展開しようとする中での共同演習であり、日本の戦争参加を目標にしたさらに具体的なものである。 私たちは絶対に戦争を許さない。人々の平和的生存権や人権を奪う戦争には断じてNO!の意志を表明する。アメリカの軍事行動にNO!日本の有事法制による戦争準備にNO!富士を撃つな!日米共同訓練にNO!を多くの皆さんとともに訴えていきたい。 |