9月30日(日)14時からザザシティ5階パレットA
浜岡原発は今 地震とプルサーマル
 
主催 人権平和浜松



9.30「浜岡原発は今、地震とプルサーマル」学習会報告

 

 2007930日、浜松市内で牧の原の増田勝さんと掛川の藤田理恵さんを講師に、「浜岡原発は今、地震とプルサーマル」というテーマで学習会をもった。

 増田さんは、柏崎刈羽の原発震災の状況を示し、浜岡原発裁判の現状を紹介し、今後の活動について語った。藤田さんは、事前了解なしの「安全協定」やプルサーマル実施以前に耐震性が問題であることを示し、掛川地域での運動の経過を報告した。

 報告の後、討論が持たれた。討論では、電力会社は「安全」と宣伝してきたが、実際の地震によって原発が停止し、廃炉にむかっている状況が示された。そして、新たな市民の参加と運動の中で原発をなくしていくことへの期待が出された。      ()           

 

                  2007104

日本国首相様                   人権平和浜松

中部電力社長様                  ピースサイクル浜松

                         NO!AWACSの会

浜岡原発の停止を求める要請書 

 

私たちは、浜松の市民団体です。柏崎刈羽での震災による原発事故をふまえ、以下を要請します。

 2007716日の中越地震で柏崎刈羽原発は大きな損傷を受け、放射能漏れも起きました。それにより、電力会社がこれまで「日本の原発は安全」と宣伝してきたことの嘘が明らかになったと考えます。

東京電力は、事故後の情報公開に誠意を示さず、逆に県や市から批判を受け、市からは原発施設内の地盤損傷を理由に、停止命令を受けるに至りました。

この原発はプレートの境界近くにあり、用地内には真殿坂断層があると推定されています。地震によって用地内には褶曲や不等沈下が見られました。この問題は原発建設の頃から指摘されていますが、住民の反対を押し切って、このようなところに原発を建てた政府と電力会社の責任が問われます。

 原発内の発電機が火災を起こした際、原発内には化学消火の設備が無く、消火栓は震災で破損し使用できませんでした。また、消防車は道路が寸断され、到着が遅れました。消防士に対しは放射能漏れが起きていることも知らされませんでした。非常用の緊急時対策室のドアは開かず、使用できませんでした。対策室は原発に耐震設計からははずされていたといいます。この部屋にある119番直通電話は使用できなかったのです。

首相は自衛隊のヘリで現地に入り、安全であるかのように振舞いましたが、その後放射性物質の漏洩が明らかになりました。首都で指揮を取るべき防災責任者としてはきわめて軽率な行動でした。

放射性物質が水と大気中に漏れました。放射性ヨウ素も放出されていますが、大気中への放出をとめたのは2日後のことでした。炉心内の分析が十分にできていない現時点では、この放射能漏れの原因が明らかになったとはいえません。

原発周辺のモニタリングのデータは電話回線が落ちたために送信を停止し、この日の放射能漏れの状況が不明です。周辺の監視モニターは放射能漏れが起きたときに使用できなかったのです。

柏崎刈羽の揺れは3号機タービン建屋一階の水平方向で2058ガルに達したといいます。想定を1200ガルとしていましたから、2.5倍の揺れです。柏崎刈羽全7機の原発が想定以上の巨大な振動を受けました。1号機の点検時の仮置き用の脚の変形などの報告をみると、場合によっては脚が折れて転倒しかねない状況にみえます。各炉の炉心の中には今も入れず調査が終了していません。

このような状況から、原発は震災に耐えられるものではないといわざるを得ません。地震発生時、運転員はたっていることができず、照明装置の落下もあったといいます。制御棒の脱落が起きたら大変な事故になります。柏崎刈羽原発全機の廃炉こそ決断すべきであり、核燃料の再処理工場の本格稼動やプルサーマルの導入などはもってのほかです。

電力会社は、揺れは「想定外」といいます。しかし安全についての「想定外」は危険そのものです。もし電力会社が「想定外」を語るのであるのならば、「原発は安全」ではなく「原発は危険です」と日々宣伝すべきです。

ここまで、東京電力の柏崎刈羽原発の震災事故について記してきましたが、中部電力の浜岡原発については東海地震が想定されています。大地震により、柏崎刈羽以上の「想定外」の事故が起きるとみられます。

20063月金沢地裁は志賀原発2号機の運転中止命令を出しましたが、その理由は耐震性に不備です。すでに、浜岡の1号機・2号機は事故により停止し実質的に廃炉状況です。このため、中電は4号機での2010年からのプルサーマル計画を計画し、柏崎刈羽の事故直後であるにもかかわらず、新聞広告(721)でプルサーマル実施を宣伝しています。

しかし、自己の原発の安全性自体に疑問が高まっているこの時期にプルサーマルの実施を推進することは、市民の安全と生存を軽視する所業であり、許されるものではありません。実際826日の経産省による御前崎でのシンポジウムでは市民から耐震に関する安全性への疑義が強く出されています。

浜岡原発については、すでに20024月には地震が来る前に運転の停止を求める仮処分申請(13次計1900人ほどの原告)が出され、20037月には、運転の差し止めを求める訴訟がはじまっています。

中電はこれらの経過での市民の運転中止の訴えに耳を傾け、今回の柏崎刈羽地震事故の教訓に学び、浜岡での原子力発電の実施を即時中止するべきです。また、政府においては原子力発電推進政策そのものを見直すべきです。

以上、要請します。