107カレーズの会県西部・宮田律学習会参加記

2006107日、イスラム社会研究者の宮田律さん(県立大)を招いての学習会が浜松市内でもたれた。

講演で宮田さんは、最初に2006年パキスタンでの調査からパキスタン内でのタリバン支持の声の強さを語った。そしてイスラム教の教えやタブーについて示し、イスラム原理主義の動向について紹介した。イスラム原理主義が世直しの思想として登場している現実を示し、イスラム原理主義を過激派のテロリズムと同一視する傾向を批判した。また、イスラム過激派の台頭のそのネットワーク形成の国際的国内的要因を示し、イスラエルとアメリカとの関係の問題点についても言及した。そして、イスラム諸国への支援や国際会議の開催を進めてイスラム過激派台頭の要因を探るなどといった今後の課題を語り、日本はアメリカの軍事介入への支持や協力をやめるべきと結論を述べた。さらに自身の撮影した各国のスライドを紹介し社会状況を解説した。

聞いていて、アメリカ社会とユダヤロビーの影響力について、たとえば、政治献金額が多いこと、都市に居住するものが多いこと、圧力団体を形成し政府議会への影響力が強いこと、ユダヤ系市民のロビー活動の中心にイスラエルへの友好的な候補者を支援するアメリカイスラエル公共問題委員会AIPACがあること、マスコミ界・映画産業にユダヤ人が勢力を持っていること、軍産複合体の利権とも結びついていること、これらの指摘が印象に残った。                              (T