イラク反戦日誌10
「ミサイル・核」と平和運動
2006年、朝鮮民主主義人民共和国(以下朝鮮)でのミサイルと核の開発によって日本政府は経済制裁を発動した。10月に入り朝鮮の核実験宣言により、日本政府は10月13日には6ヶ月の期限で、朝鮮の船舶の入港禁止、輸入全面禁止、朝鮮籍を有するものの入国原則禁止などを閣議決定し、14日にはそれらを発動することになった。今後の国連決議によってさらに制裁をすすめるという。しかし、経済制裁は戦争政策の一環であり、軍事行動としての臨検をおこなうことになれば、戦闘状況にもなりかねない状況を迎えている。
人権や反戦の視点からみれば、朝鮮の政治システムや核とミサイル開発による政治カードとしての利用などは批判すべき多くの問題を持つ。しかし、朝鮮を敵視することで、戦争肯定政府としての安倍政権の戦争策動を肯定してはならない。朝鮮の核とミサイルは、日本のネオコンの戦争立法の材料とされ、その背後にはアメリカの先制攻撃を前提とした戦争政策がある。安倍は、朝鮮政府を批判し、核やミサイル開発ではなく国民に食料を与えるべきと語っているが、そのような批判は数兆円というミサイル防衛(MD)軍拡をすすめて福祉を削減する日本政府にもあてはまる。
10月に入り、「沖縄では米軍嘉手納基地へのPAC3配備が始められた。これに対し沖縄の市民グループは天願桟橋でのPAC3本体の揚陸阻止の行動に立ち上がり、10月9日・10日の2日間の間、搬入を阻止した。11日には機動隊の導入によって搬入がおこなわれたが、沖縄では自治体も含めて、米軍PAC3配備による沖縄の軍事要塞化・基地機能の強化に反対し、嘉手納基地が出撃と迎撃の拠点となることに抗議している。
2005年秋には、浜松基地を含めて、航空自衛隊基地へのPAC3配備が報道された。それ以後、浜松では
10月になると17時30分には空は暗くなる。その闇の中、ときにAWACSが低空でキーンという高音とゴウ−というジェット音を響かせて降下してくる場面に出会う。そのような風景の中で、浜松を戦争の拠点にしてはならないという想いが新たになる。「核とミサイル」の脅威に対して、同様に核とミサイルの軍拡をすすめるのではなく、それらを廃絶する思想と行動が求められると思う。
安倍政権のメンバーの多くが、過去の戦争を肯定し、米との軍事同盟を強化し、軍拡をすすめ、憲法を改悪しようとする人々である。彼らの政策が、朝鮮の軍拡行為を口実に正当化されることを止めたい。これまでの歴史において、恐怖を煽って戦争をすすめる国家は、真の敵をその国の民衆においている。民衆の声は平和を規定する力である。マスメディアから流れる拉致と核、戦争肯定の報道の波の中で、北東アジアでの民衆の反戦平和に向けての行動をすすめるべきと思う。「核とミサイル防衛にNO!」の声が今、求められている
[2006年10月12日記]