埼玉国体を問う!

       浜松からの連帯メッセージ

埼玉国体反対行動に参加された皆さんへの静岡からの連帯アピール
       2004.10.23

埼玉での国体に抗議の声をあげて本日の行動に参加された皆さんに、昨年度の国体開催地・静岡から連帯のアピールを送ります。

昨年の静岡での国体にたいしては「異議あり!静岡国体10月民権行動」を設定し、県・市への要請を行い、1024日には天皇賛美に抗議してJR浜松駅前でチラシまきと「人権ウォーク」、25日には開会式会場近くのJR愛野駅前で国体批判アピールと「異議あり!静岡国体デモ」を持ちました。
 昨年の状況を紹介すれば、浜松市では24日の明仁の来浜に合わせて市長・自治会連合会・体育協会・商工会議所・神道政治連盟・神社庁らが一体となって「奉迎委員会」(名誉会長は北脇市長)をつくって「提灯行列」をおこない、3000人が日の丸を振って『天皇陛下皇后陛下万歳』と叫んで歩きました。このような政教一体化した天皇賛美の動きにたいし、市に市長の名誉会長辞退と政教分離などを申しいれるとともに、県知事と国体局には、国体の天皇制からの切断、開会式の簡素化、フェアーな運営、児童生徒の動員の中止、銃剣道廃止、財政赤字をもたらす運営の中止、政教分離原則の遵守などを求めました。

天皇が浜松にきた昨年10月24日は朝からヘリが上空を舞い、近県から動員された警官によって市全体が巨大な権力装置の渦の中にあるようでした。明仁の移動にともない人権破壊の渦が台風のように浜松に来たのです。かれの存在そのものが「陛下・陛下」と語る「臣民」の隷従を生み、主権と人権を奪っていくのです。

移動中の道路には警官が立ち並び、信号はかれの移動にあわせて止められ、前列に止められた車両に対してはエンジンまで止めるように規制しました。その練習もおこなわれ、市内には大渋滞が生まれました。資源ごみのコンテナまで撤去され、マンホールにはチェックシールが貼られたのです。アーチェリーの練習場では明仁の通過時に射的を中止することまで求められました。わたしたちが人権を主張すれば静岡から浜松まで複数で尾行をおこない、駐車場や近くの駅にまで監視の私服を配置したのです。
 静岡国体の運営費は約60億円、さらに炬火台6千万円をはじめ数百億円におよぶ国体用投資がおこなわれました。マスコミは国体賛美のキャンペーンをおこない、行政は県民総参加をよびかけました。会場にはたくさんの児童生徒が動員されました。浜松基地のAWACSは朝4時ころから飛行をはじめ、天皇が浜松基地近くに来ると自衛隊は「堵列」で迎えました。

このような中で開催された静岡国体では、開催県静岡が2695.5点で46年ぶり2回目の「天皇杯」を獲得、2位は埼玉の2365点でした。それはフルエントリー制、10年をかけての選手強化、輸入選手の活躍によるものでした。開催県が優勝できるように仕組まれているのです。

イラク派兵・有事法整備・翼賛化という、あらたな戦時下において「天皇賛美は人権侵害」「NO!天皇制」「異議あり!国体」の声をあげていくことは地域からの人権・主権回復に向けての宣言です。この行動によってこそ、真の意味での人権と平和が獲得されていくと考えます。

派兵の恒常化と翼賛化のなかで本日の行動に参加された皆さんの志に敬意を示し、皆さんの行動の成功を願い連帯のアピールとします。

                        人権平和・浜松 

    熊谷行動への静岡からの参加者の感想

 静岡から3人で参加しました。主催者は3人来たので少しびっくりしていました。50人でデモを約1時間、最後まで声をからしてがんばりました。帰りのバスはデモ参加者で満員となり、ノンストップでした。
 それにしても、私服警察が120人もぞろぞろ付いてきたのには驚きました。帰りのバスに私服警察が乗り込んできたので、降りろ降りろ!の大合唱となりましたが、3人が降りずに乗り込みました。これには疲れました。地元の皆さんにはお世話になりました。(長島)



埼玉国体反対行動からの呼びかけ文

■10・23熊谷―天皇出席の埼玉国体・秋季大会開会式反対行動への参加を
○会場 埼玉県熊谷会館・
○日時 10月23日(土)午前10時半〜集会後デモ
 いよいよ埼玉国体(第59回国民体育大会)が始まりました。
 私達(「埼玉国体に反対する10・233行動実行委員会」)は、「秋篠宮」が出席する夏季大会開会式当日(9月10日)、会場の川口総合文化センター・リリア前で、情宣活動を行ないました。来る10月23日には、天皇出席の秋季大会開会式が熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で開かれます。
 埼玉国体のスローガンは「とどけ、この夢、この歓声」というお決まりの陳腐なものです。土屋前知事は、「日本一簡素で心のこもった国体」と唱えながら205億円かけて熊谷ドームを建設するなど金権腐敗にまみれ、一族の醜聞で辞任を余儀なくされました。上田知事は、大会キーワードとして「700万県民総参加」「簡素で効率的な運営」「心のこもったおもてなし」「安心で人にも環境にも優しい」の4点をあげています。
しかしその実態は「国体募金」と称して県民・企業から5億円を集めるのに躍起になり、セクハラ団体として有名なクレー射撃競技(競技期間わずか3日間)に2億円を投じて、環境汚染が問題になっている鉛散弾の回収を行おうとしています。
 埼玉国体の際だった特徴は「戦時下」で行われる国体に尽きます。小泉首相は自衛隊をイラクに派兵し、多国籍軍にそのまま参加しています。また有事法制も可決成立され、戦争にむけて国民総動員体制が動き始めています。対テロ対策の名の下に住民と行政権力が一体となった監視体制が作られつつある今、戦争、天皇制、自衝隊、スポーツの結合・統合の中心的役割を担う国体に反対したいと思います。
 10月23日、熊谷現地に結集し、共に「もうやめよう!国体」の声をあげよう!
           2004年9月23日
“彩の国まごころ団体”(埼玉団体)に反対する10・23行動実行委員会