2007・10・28 浜松・袴田厳さんを救う会の再開に向けて集会開催

1966年に清水市で起きた殺人放火事件で袴田巌さんが検挙された。袴田さんは浜松市出身の元プロボクサーである。袴田さんは長時間の取調べの中で「自白」したが、裁判では犯行を否認した。静岡地裁は1968年に死刑を判決し、1980年には最高裁が上告を棄却して死刑が確定した。これに対し、弁護側は再審を請求したが、静岡地裁は棄却し、高裁も抗告を棄却。弁護側は2004年に最高裁へと特別抗告した。

袴田さんは1936年生まれ、現在71歳であり、拘禁されて41年となる。2007年に入り、静岡地裁で事件を担当した裁判官・熊本典道さんが地裁判決の際の状況を公表して無罪を主張、日本プロボクシング協会も袴田救援に全力で取り組みをはじめ、面会もおこなわれるようになった。

救援運動は浜松や清水・東京で取り組まれてきた。弁護側弁護士の多くが浜松出身である。地裁への再審請求がおこなわれていた頃には袴田さんの出身地浜松でも組織的な救援運動がおこなわれていたが、最高裁での再審決定をもとめ、支援運動再開集会を持つことになった。


10月28日、浜松市内でもたれた再開集会には浜松をはじめ清水・東京など各地から70人が参加した。

集会では最初に、清水の救援会の山崎さんが事件と救援運動について解説した。次にボクシング協会の袴田厳支援委員会の大橋秀行さんと新田渉世さんが、プロボクシング協会も一丸となって支援に取り組むという決意を示し、面会時に袴田さんが前向きな発言をするようになったことなども紹介した。

また弁護士の中川真さんが無罪の理由と再審にむけての取り組みについて講演した。姉の袴田秀子さんは支援を呼びかけた。元裁判官の熊本典道さんは、自らは無罪と考えたが死刑判決となり、それ以後ずっと悩んできたこと、今を最後の機会と考えて意思表示したことを語った。熊本さんは劇団砂喰社のメンバーの質問を受けつつ、裁判員制度の問題点も示した。最後に、東京で支援に取り組む仲間や狭山事件の支援運動からの提起をうけた。

日本プロボクシング協会は2008年1月24日後楽園ホールで袴田巌支援チャリティボクシングを開催する予定である。「FREE! HAKAMADA NOW」と記されたTシャツも販売している。                                 (T)