2006年7月22日
増田さんは信念を貫いて真実を教えてきた。その行為を不適格とし、解雇したことは重大な人権侵害である。一刻も早い解雇の撤回と名誉の回復を求めたい。
以下は集会で採択された申し入れ書である。
(竹)
東京都教育委員会御中
2006年7月22日増田都子さんの話を聞く会実行委員会(静岡)
増田都子さんの不当な免職処分を直ちに撤回するよう求めます。
本年3月31日、貴東京都教育委員会が、
この免職は、古賀、土屋、田代3都議と連携した平和教育に対する弾圧であり、また歴史の真実を教えたことに対する報復・見せしめ以外の何物でもなく、まったく許し難いものであります。さらに、この3都議の権力による教育への介入は、教育基本法第IO条により禁止されていますが、これを蹂躙した違法行為であり、増田都子さんの個人情報を彼らに提供した個人情報保護法にも違反し、「公務員の守秘義務」を犯した地方公務員法違反として、誰が公平に判断しても、厳しく処罰されるべきは、貴東京都教育委員会であると断言します。
増田さんが昨年9月からの長期研修と、これに対する抗議声明を同センターで読み上げたことを処分の理由としてあげています。しかし、この声明は、貴東京都教育委員会による長期研修の強制が、どんな合理性も正当性も法的な根拠さえもない理不尽なものだったからです。
東京都教育委員会は、増田さんが「ノ・ムヒョン大統領への手紙」のなかで、あるいは紙上討論で「日本は、いつどこを侵略したのか」という古賀都議の都議会での発言や、「アジア諸国に対する戦争は、民族解放を助ける正当な戦争」と日本の侵略戦争を美化する、扶桑社の歴史教科書を「歴史偽造主義」と批判したことを「不適切」、「公務員としての信用を失墜させるもの」として処分し、長期の研修を強要しました。
しかし、日本が武力で朝鮮を併合し、中国や東南アジアを侵略したのは、紛れもない歴史的な事実です。この侵略戦争への反省は、村山首相をはじめ小泉首相でさえも公式に表明しているではありませんか。
増田さんが、この右翼的に「偏向」している古賀都議の発言や、扶桑社の歴史教科書を批判したのは、歴史や社会の真実を教える任務を持つ社会科の教員である以上当然のことでしょう。「日の丸」や「君が代」を強制し、虚偽の歴史を教え、子どもたちの心にゆがんだ「愛国心」を植え付けようとする東京都教育委員会や小泉自民党政権の危険な動向に対する、痛切な危機感に基づいたものなのです。
増田さんの行為は、憲法や教育基本法に忠実な社会科の教員として、賞賛されるべきものであっても、決して非難されたり、ましてや処罰されるようなものではないはずです。また、スキャンダルまみれの米長邦雄なる、教育委員としては著しく「適格性」や品性に欠ける人物を任命し、貴東京都教育委員会の「信用を失墜」し、各種の法を犯し公務員としての品位や名誉を失い堕落し、自ら傷つけているにすぎません。
よって、貴東京都教育委員会に増田さんを処分する資格などまったくありません。 増田都子さんの分限免職処分、戒告処分等を直ちに撤回し、再度教壇に立てるよう強く要望するとともに、貴東京都教育委員会が一日も早く「名誉挽回」するよう切望するものです。