日本国憲法制定60年、
2007・5・3静岡県内各地で憲法集会


静岡




 憲法改悪に向けての国民投票法案が参院で審議されるなか、県内各地で憲法集会がもたれた。
静岡市ではしずおか憲法9条を擁護し実現する会が主催し高島伸欣さんを招いて集会がもたれ、250人が参加した。
 集会で高島さんは、戦後補償裁判で最高裁が個人請求権を否認した例や拉致問題での歪む日本の民主主義の動きをあげて、日本での人類共通の道徳性の欠落を示した。高島さんは教科書訴訟やアジアの旅の体験から、日本国憲法の理念には一人ひとりが主権者であること、アジアから信頼される国となることがあるとした。
 現在のさまざまな政治的不正や不道徳の原点には天皇の戦争責任を問わなかったことがあり、9条が天皇の免責とセットになっていることを示した。また天皇制の存続のために戦争終結が遅れ、沖縄戦などでの多くの死者が生まれたことを語り、戦後には沖縄が切り捨てられた歴史を示した。
 そしてアジアの平和からの視点を重視し、アジアから護憲も改憲と同列であるとされないような活動を求めた。
 高島さんの話は天皇制の問題やアジアの平和の視点を明確にしてのものであり、共感できた。
 
                                                            (竹)
浜松

浜松・憲法九条の会・憲法記念日のつどい

戦争と憲法・・そして希望としての9条

 5月3日、浜松市地域情報センターで集会があり、憲法の危機的状況を反映し、主催者の予想を上回る約200名が参加した。主催は浜松・憲法九条の会。

 スピーカーの小田中聡樹さんは、今国会で成立が目論まれている「国民投票法案」の危険性を指摘した。また「自民党新憲法草案」(2005.11)を批判しながら「2011年夏の国民投票で改憲、という改憲派の日程表をつぶそう!私たちは決して少数派ではない。希望としての9条を守り抜こう!」と聴衆に訴えた。小田中さんは集団的自衛権とミサイル防衛(MD)の関係にも触れ、アメリカを守るために日本と東欧に迎撃ミサイルを配備し、憲法が禁じる集団的自衛を合憲解釈しようとしている」と指摘。その「合憲」解釈がこの秋にも出されるだろうと語った。

 小田中さんも触れたように、立ち見も出た超満員の会場を埋めたのは中高年がほとんど。しかし、小田中さんは「若者と私たちは必ず出会うことができる。エイズの問題に積極的に取り組んだのは若者たちだった。彼らと草の根で手を結び合う努力を続けよう」と参加者を励ました。

 「国民投票法案」では投票権は18歳以上に与えられる。つまり若者の動向が非常に大きな力を持つことになる。「ニート、フリーター、ワーキングプア」と呼ばれる若者たちの中には「戦争待望論」があるのは確かだが、一方で平和への感性も併せ持っている。「改憲反対」を彼らに語り、訴える言葉を私たちは持つことができるか。私たちの力量が問われていくことになるだろう。                                                           (I)