NO!WAR NO!AWACS 4月行動報告

4月7日、浜松基地へと抗議要請行動をおこなった。この日は雨、10時に横断幕を広げ、2通の抗議・要請書を手渡した。その後基地広報館へとむかった。広報館はいつもと違って自衛官自身の警備。広報館にある事務室へと要請書とこどもを兵士にするなというユニセフのポスターを館員に示し「平和広報活動」をおこなった。

館事務室担当の自衛官にユニセフについて質問すると「そういう難しいことは分からない」「(ユニセフについて)知る、知らないはわたしの勝手」「要請書は職掌上うけとれない」と発言。「意見のノートにはさんでおくから館長に渡してね」というと「はさんではいけない」と対応。意見ノートの上に意見書投入口があるので「手紙として入れるから」というと、「それは手紙ではない」と知らん顔。別の館員が「どうせゴミにするから」と発言するに及んで、「その発言は何だ。」「発言を取り消せ」と平和広報団は激怒した。丁寧に、こどもに戦闘服を着用させて「かっこいー」などと思わせることの誤りを指摘し、自称「エアパーク」こと基地広報館をあとにした。その後広報館前で横断幕をひろげてこの日の行動を終えた。

館の意見ノートを見ると「シミュレーターを体験した。最初はこわいなーと思ったけど乗ってみると楽しかった。」「じえいたい かっこいー!!」「ひこうきにのって楽しかった。大きくなったらひこうきのうんてんしゅになるよう がんばる」と言った記述が多い。館で記念撮影をしている写真屋に聞くと、他県からは会社や消防署・警察などの役所がおおいという。写真の見本としてこどもが2人戦闘服を着てピースサインをしているものもあった。

ここではこどもに戦闘服を着せたり戦闘機に乗せたりして「その気」にさせているのである。開館して3年で「92万人5千人」が訪れたという。この館はAWACSとともに浜松に登場した戦争マシンの一部だ。

基地周辺には監視カメラが多数外部にむけて設置された。正門のカメラは以前からあったが、警戒航空隊官舎の上、滑走路の北側、旧北基地近く十字路の外周道路上ほか、各所に監視カメラが据え付けられ、外部を見張るようになった。またこの2年で外周のフェンスの張り替え、緑の鉄板や白いパネルでの目隠しがすすみ、フェンスの上には細いセンサーとみられる線まではりめぐらされている。基地南側の工事現場には横浜防衛施設局のプレハブがあり、その入り口には工事請負業者の郵便ポストがあったがこれも撤去された。滑走路の東の端にある防衛庁の空き地にはナンバープレートをはずした廃車が監視するかのようにおかれている。広報館近くの道路には不思議な形の街頭風の柱が数本たてられた。

基地の機密化と監視の強化をともなって参戦国家化がすすみ、このような中で、AWACSのグアム派兵により浜松のAWACSによる海外での日米機の管制指揮訓練がいまおこなわれようとしている。この現実をふまえ「有事立法にNO!」の声を浜松の地からあげよう。 


  

「有事立法って何」集会と浜松基地行動
4月6日、「有事立法って何」集会が4月6日行われた(20名参加)
4月7日午前10時に浜松基地に以下の2つの抗議要請書を手渡し、さらに基地広報館にいき、こどもは戦争の道具ではないというユニセフのポスターと要請書をおいてきました(行動参加12人)。

                                                2002年4月7日
日本国首相様 防衛庁長官様
浜松基地司令様
基地内自衛隊員様              
                                            NO!AWACSの会浜松


   AWACSのグアム派兵に抗議し、
          海外派兵と訓練の中止を求める要請書

 2002年4月7日から5月1日にかけて浜松基地からAWACS(空中警戒管制機)がグアム島でおこなわれる空の日米共同訓練に参加します。今回の訓練はグアムへと派兵し慣熟訓練をおこない、4月15日から26日にかけて日米共同訓練をおこない、その後撤収するというものです。わたしたちは今回のグアムへのAWACSの派兵に断固として抗議し、その派兵と訓練の中止をここに求めます。

今回の参加機種を見ると日本・築城F15、浜松AWACS,小牧C130、米軍三沢F16、横田C21、岩国FA18・EA6Bであり、この編成をみると、浜松のAWACSが日米共同指揮の空のセンターとして使われることになります。2002年の3月に東北でおこなわれた日米共同訓練ではすでに浜松のAWACSが日本の三沢や千歳のF15F4,米軍三沢のF16を指揮するセンターとして使われています。

今回の訓練では昨年に続き、海外で浜松のAWACSに米軍が乗り込み共同して日米の戦闘機を指揮します。昨年は米軍のAWACSが参加しましたが、今回は日本のAWACSだけで警戒指揮をし、浜松のAWACSのみによる指揮となります。また派兵期間も「慣熟」を口実に長期化しています。
このような訓練は日本国憲法に違反するものであり、集団的自衛権行使につながる訓練です。また海外での無法の戦争を拡大する米軍を支援するものであり、アジアの民衆に銃口を向けていくことにほかなりません。

浜松のAWACSは、1998年の浜松配備、2000年の実戦配備、2001年のグアム派兵、2002年に入っての日米の共同指揮機としての本格的活用の開始にみられるように、日米共同作戦の空の司令塔としての役割をいっそう担うようになってきています。

かつて浜松は陸軍航空部隊の出撃拠点でした。飛行第7連隊や飛行60戦隊など浜松の部隊は中国各地で戦略無差別爆撃をおこない、陸軍浜松飛行学校は航空毒ガス戦の秘密訓練を中国東北部まで出かけておこないました。基地周辺での訓練は増加し、墜落事故が増え、浜北市平口新田の住民を誤爆する事件までおこしました。この侵略戦争期の訓練や実験は実際にアジアの人々の殺戮に使われていきました。

現在おこなわれている訓練も過去の歴史に見られるようにアジアの民衆を殺戮することにつながります。すでに今回の訓練に参加する三沢のF16はイラクの空爆をおこなってきた軍用機です。現在日本がインド洋でおこなっている自衛艦による米艦へのジェット燃料の給油はアフガン攻撃に使われています。これらの米軍の攻撃によって多くの民衆が生命を奪われています。今回の訓練は米軍の戦争に日本のAWACSを投入するためのものとも見られます。

わたしたちはこのような動きに抗議の意志を示し、AWACSの海外派兵と日米共同作戦下の訓練の中止を求めます。また、日本の民衆を動員し民衆に銃口を向けることにもなる「有事立法」の制定の中止をここに強く要請します。

わたしたちは浜松市民として浜松を再び戦争の拠点とする動きに断固として反対の意志を示すとともに、自衛隊員のみなさんに反戦平和を呼びかけま




2002年4月7日浜松基地司令様  
            浜松基地内自衛官様
                                                               NO!AWACSの会浜松

     浜松を再び戦争の拠点にしないための要請書

 98年と99年にかけて浜松基地へとAWACSが計4機配備され、99年には基地広報館が開館し、ブルーインパルスの曲芸飛行も17年ぶりにおこなわれました。

 2000年4月にはAWACSの実戦運用がはじまり、8月には浜松のAWACSが九州での日米共同訓練に参加しました。2001年にはグアム島での日米共同訓練に米軍のAWACSとともに参加し、浜松のAWACSに米軍人が同乗して米日が共同して空中戦の指揮が行われました。

9.11事件以後、防衛庁はインド洋へのAWACSの派兵をねらい、9月末には日本からの米空母キティホークの出撃を空から支援しました。テロ対策法以後の日本の自衛隊による空・海からの米軍支援に対しても浜松のAWACSが使用されていると見られます。

2002年3月におこなわれた東北での日米共同訓練では日本のAWACSが単独で空の司令塔として使用され、米日の空中戦の指揮をとりました。
浜松のAWACSは文字どおり、日米共同作戦の空の司令塔として情報提供と管制指揮を担うようになりました。
さらに2002年予算において空中給油機の導入がきめられました。空中給油機の配備先は浜松基地といわれています。

浜松基地広報館では子どもに戦闘服を着用させて軍用機の前で写真を撮らせたり,戦闘のシミュレーションをさせたりして軍事文化を宣伝しています。
こどもたちに戦闘服を着用させて「かっこいい」と思わせる行為はこどもの心に戦争を肯定する精神を植えつけるものです。それはこどもを兵士とする思想につながるものです。こどもたちには生命の尊厳を学ぶ機会をしめすべきです。現在、広報館は軍事教育の地域センターになろうとしています。

浜松基地のAWACSが日米の共同軍事行動を支援し、その空の司令塔として活用されていくことに、わたしたちは強い憤りをもっています。
基地司令をはじめ自衛官のみなさんも、現在の米軍の戦争政策や日本の参戦の政策に批判的意見を持っていると思います。軍事によらない平和政策を求める市民を敵視してはなりません。

いま、政府は周辺事態法、テロ対策法につづき有事立法を制定しようとしています。憲法を軽視し民衆を戦争に動員する政府によって最初に生命の尊厳を侵されるのは自衛隊員自身であり、自衛隊のハイテク兵器で生命を奪われていくことになるのはアジアの民衆です。
わたしたちは、浜松を再び戦争の拠点としないために「自衛官もともに反戦平和の声を!」とつよく呼びかけます。反戦平和を求め海外派兵に反対する声が、自衛隊員とアジアの民衆の生命を守ることにつながります。浜松基地司令をはじめ自衛官のみなさん、このことをぜひここで考えてみてください。

以上のような観点から以下を要請します。

一、 AWACSの飛行を中止すること
一、2002年度のグアムでの共同訓練にAWACSを派兵しないこと
一、 AWACSの日米共同訓練での使用やテロ対策法以後の派兵支援活動での使用状況を公開すること
一、 浜松基地周辺の隠蔽用鉄板やパネル、監視カメラを撤去すること
一、 空中給油機の導入配備を中止すること
一、 浜松市議会の空中給油機反対の意見書を全隊員に配布すること
一、 広報館での戦闘服着用やシミュレーション装置を撤去すること
一、 AWACS配備にともない拡大した騒音の被害地域を調査し賠償すること
一、 自衛隊員の人権を擁護し、団結権・派兵拒否権を認めること
一、 政府の行為によって再び戦争の惨禍をもたらすことがないよう憲法第九条の精神を守ること