2006年2月17日 くるな!給油機2・17小牧大行進
10時30分愛知県豊山町神明公園,
13時エアフロントオアシスで集会
14時30分小牧基地に抗議申し入れ

三菱重工前では「ミサイル防衛反対」「NO!PAC3」のアピール。
歌や太鼓も交え約7キロのデモを行った後、小牧基地へと申し入れ書を渡した。
岐阜・東京・浜松からの参加もあり、参加者は約50人。

NO!空中給油機デモ 三菱前
  
                                            小牧基地前

小牧への空中給油輸送機配備計画に抗議の行進 

 

政府は航空自衛隊小牧基地へと空飛ぶタンカーである空中給油輸送機(KC767)の配備を計画している。

これまで小牧基地からはイラクへと航空自衛隊のC130輸送機が11期にわたって派兵されているが、この配備は小牧基地の派兵拠点化をいっそう強化することになると、2月17日、「くるな給油機!大行進」が取り組まれた。愛知の「不戦へのネットワーク」が行動を呼びかけ、岐阜・静岡など東海各地の平和団体のメンバーが参加した。

参加者は基地周辺約7キロを歩き反戦平和を訴えた。ミサイルや戦闘機の生産をすすめる三菱重工小牧工場前では「ミサイル防衛NO!」「PAC3を作るな!」と声をあげ、小牧基地前では空中給油輸送機の配備中止とイラクからの撤兵を要請した。

小牧基地ではイラク派兵のみならず、2006年には空中での医療活動を担う機動衛生部隊が配備され、今年度予算ではC130への空中給油装置の増設が計画されるなど海外展開を想定しての基地機能の強化がすすんでいる。基地の部隊案内板には「空中給油輸送機実用試験隊」と刻まれていた。

岐阜や浜松の基地へはミサイル防衛計画によるPAC3の配備が予定され、横田基地ではミサイル防衛をテコにしての日米共同統合作戦センターの設立も計画されている。

このようなグローバル戦争の下での日米の軍事的統合と派兵の継続に抗議し、参加者は「小牧を派兵の拠点にするな!」と力強く呼びかけた。    (竹)




愛知からの要請

東アジア諸国が脅威と感じるKC767の配備を中止し、
空自隊員の命に関わるイラク「人道支援活動」からの
一日も早い撤退を求める申し入れ書

浮須一郎基地司令様   隊員の皆様

 本日、私たちは三市一町にわたる宣伝活動をやりながら基地正門前に立ちました。今日の「くるな給油機2.17大行進」を計画し主催した不戦へのネットワークは毎月申入れを行っている有事法制反対ピースアクションの構成団体の一つです。98年以降、愛知県に対し、二市一町に対し、また周辺住民の皆さんに対し、給油機導入に反対しようと訴えてきました。KC767の配備を目前にし、「専守防衛」や各種の「人道支援」をはるかに超える基地になってしまう現実を前にして、10年に渡る反対運動の弱さを噛みしめながらも、諸団体・諸個人に本日の行動を呼びかけました。私たち不戦へのネットワークは、日本国の最高法規としての日本国憲法を遵守し、不戦の立場から憲法違反は見逃さないという熱意を支えにする団体です。この立場から浮須基地司令、隊員の皆様に
以下の申入れを致します。

 2月20日に、ブュシュ政権の「影の大統領」とも言われるチェイニー副大統領がリン夫人とともに来日します。イラク戦争が始まるや否や米国防総省と100億ドル、日本円で1兆円を越える契約をしたハリバートン社の最高責任者を6年間やり、今も最大の個人株主です。リン夫人は、アメリカ最大の軍需産業であるロッキードマーチン社の役員を8年間もやり、アメリカが戦争をやるたびに巨大な財産を得てきた戦争屋夫婦として有名です。この「影の大統領」は、日本の国会の動向を見ながら、イラク戦争への更なる支援、沖縄をはじめとする米軍再編の加速化、総じて日本の軍事協力体制の加速と確認のための来日と理解できます。中でも、1月10日に発表されたブッシュ新戦略への協力要請は、浮須基地司令や隊員の皆さんへの更なる過重な負担を押し付けることになる、ということをまず確認しておかねばなりません。しかも、報道によれば防衛省の最高責任者である久間防衛大臣とは会談しないとのこと。「日米同盟が大切なら人と金をもっと出せ」というだけ言ってグアムに向かうようです。このような人物のために隊員の皆さんが命がけの任務をこれからも続けなければならないのかと考えると、腹の底からの怒りを禁じ得ません。

 隊員の皆さんとC130は、アメリカ軍の「対テロ戦争」のための無料定期便として使われ、イラクの抵抗勢力からは、占領軍に協力する輸送機として狙われ、実情を知っている人たちからは「打ち落とされる前に帰ってくればいいのに」と無責任な覚めた目で見られているのです。イラク派兵を続けることにいいことなどなにもありません。にもかかわらず、安倍首相は「人道復興支援」を続けるために更にイラク特措法の2年の延長を明言しています。更にこれから2年です。
 イラク現地では1月20日以降、毎週2機の割合で米軍ヘリが撃墜されています。更に、2月14日から開始された「法の執行作戦」という名のバグダッド掃討作戦は、米軍・イラク軍計9万人を投入し、夏まで続くと報道されています。もはや人道復興支援の余地などどこにもありません。米軍への補給作戦としての軍事行動任務と明確にし、それに対応するか撤退するかしかありません。イラク特措法は、平定されつつあるイラクを前提に作られた法律であり、今の状態に対応できる法律ではありません。そのしわ寄せが全て皆さんに押し付けられているとしか理解できません。もう本当に止める時が来たと思われます。イラクからの撤退に向けた圧力を政府や防衛省に、ここから、この基地の中からあげる時が来たと判断されます。部下の命を預かる浮須基地司令から口火を切ってください。政府のごまかしによってイラクの人たちの命が奪われています。隊員の命が脅かされています。

 空中給油機(KC767)は、35年前の1972年、日中国交回復にあたり、当時の田中首相により「日本は他国に脅威を与えるような武器は持たない。従って空中給油可能な戦闘機も給油機も持たない」と明言せざるを得なかった危険な武器なのです。民間機が離発着する県営空港との共存などあり得ません。住民の安全と平和を守ることが責務である自治体は、本来配備に反対するべきですし、空港管理者である愛知県は、その危険性を広く県民に伝え、監視と滑走路の使用制約任務の決意を示しておく責任があるのです。しかし、前小泉政権以降、「安保防衛問題は国の専管事項」という主張に、自治体までもが任務を忘れ、引き継がれています。制服を脱いだ時、平穏で安全な生活を求める住民の立場からお考えください。
 そして、何よりも「地球規模の日米同盟」を推進する限り、やがてアメリカの戦争協力に使われかねない危険性があります。更に、昨年の「機動衛生隊」の編成、C130の空中給油機化の着手、空中給油機能を持つUH60Jヘリの調達と、私たち市民の眼から見てもこの基地の機能強化が理解できます。アメリカの利益に押しまくられることを日米同盟の強化と政府や自衛隊が理解するならば、軍事的下請け化は必然です。法の改悪によって「専守防衛体制」の制約がなくなった今、KC767配備は、この基地が本格的な派兵拠点になることを意味します。アメリカという強大な国が、実は単独ではイラクやアフガニスタンという小国ですら上手くコントロールできない国であることをはっきり自覚する必要があります。
 基地の外と中で、アメリカに強要される派兵拠点化にともに反対をしていきましょう。東アジア諸国が脅威と感じるKC767の配備を中止し、アメリカのイラクでの掃討作戦に加担し続け、空自隊員の命に関わるイラクでの「人道復興支援」活動から一日でも早く撤退をするために声を上げていきましょう。
2007年2月17日
不戦へのネットワーク
 
浜松からの要請

防衛相様 小牧基地司令様  

自衛隊員の皆様                2007217

                 人権平和浜松、NO!AWACSの会

    空中給油機の導入中止とイラクからの撤兵を求める要請書

 今年2月末、空中給油機が小牧基地に配備されようとしています。以前空中給油機が浜松基地に配備されるという報道があり、わたしたちはAWACS とともに空中給油機の配備にも反対してきました。それはわたしたちが住む場所を派兵の拠点としてはならず、空中からの管制指揮機能と空中給油機能による攻撃で、アジアの人々が殺戮されること想像し、そのようなことは許されないと考えたからです。

米軍は宇宙空間を支配し、AWACSの管制指揮や空中給油によるグローバル戦争を今も繰り広げています。アメリカはその戦争に日本を組み込もうとしています。空中給油機の配備はその一環です。わたしたちは小牧への空中給油機の導入配備に反対しその中止を求めます。

最近、久間防衛相は『アメリカのイラク戦争はまちがいだった』と発言しています。そのとおりです。そのような発言の背景には、自衛隊幹部のイラク派兵反対の要求があるのであり、久間防衛相はそれを代弁しているのでしょう。今一歩、発言をすすめ、航空自衛隊のイラク派兵の中止についても発言してください。

陸自撤退以後の空自のイラクでの輸送は米軍への兵站支援そのものです。ブッシュ政権のイラク戦争政策は破綻しましたが、その破綻を覆い隠すように3万人余を投入してバグダッド掃討作戦を始め、さらにイランをも攻撃する態勢をとり始めました。しかしこのような侵略行為は成功しないでしょう。その先を見越し、今すぐ兵站支援をやめ、イラクからの撤兵をすすめてください。

 アメリカの「ファンド」に代表される多国籍資本はサッポロビールの株式買付事件に象徴されるように、「自由」と「友好」を語りながら、為替や株式を操作して暴利をむさぼっています。アメリカがすすめるグローバル戦争は、そのような資本の利権を守るためのものです。このようなアメリカの戦争に追随し自衛隊員を派兵する必要はありません。今すぐ撤兵をすべきです。

自衛隊員のみなさんもぜひ派兵に反対の声をあげてください。アメリカでは現役の兵士たちによる帰還要求署名運動が始まりました。不法な戦争に動員されることを批判し、そこからの帰還を要求することは、人間としての基本的な権利です。それを侵すことはできません。皆さんの声が戦争をとめる大きな力になります。わたしたちもともに平和への声をあげます。

防衛相、基地司令、そして隊員のみなさん!今こそ撤兵の声を!

 関西からの要請

イラク完全撤退と空中給油輸送機配備に関する申し入れ

防 衛 大 臣   久間章生殿
第1輸送航空隊司令 
 兼 小牧基地司令 浮須一郎殿

 久間防衛大臣は長官就任後、米英イラク開戦をめぐり、「大量殺戮兵器はなかった」
「統治後の処方箋はなかった」などの発言をされ問題となっています。
 自衛隊最高幹部で「防衛族」長老格の久間氏が、こうした認識にもかかわらず、
安倍首相は国会答弁で、当時の「判断は正しかった」とし、派遣の完全撤退どころ
か、7月期限切れの「特措法」をさらに延長しようとしています。
 ブッシュ大統領は「研究会」提言や米国民の世論を無視し、逆に2万人以上を増
派しましたが、泥沼解決の見通しは全くありません。
 こうした状況のもと、陸自撤退後も空自隊員は、サマーワ駐屯以上の緊張を強い
られるなかで輸送活動を継続しています。
  イラクからの帰還隊員の自殺もPTSD(心的外傷ストレス症候群)として問題化して
います。携帯誘導弾スティンガー等で容易に航空機攻撃できる時代であり、泥沼化
はこれらの危険度を増すのみです。速やかにイラクからの空自撤退を私たちは求め
ます。撤退はまた、ブッシュ大統領の頑迷なイラク政策の変更を迫ることにもなり
ます。
                
 伝えられるところ、今月2月末にも空中給油輸送機の初号機が小牧基地に配備され、
年度内には2番機も配備予定と聞きます。現在C−1輸送機(現27機体制)の後継
機C-Xが導入開発中で、C-130(現16機体制)を上回る性能と伝えられています。
 専門家のなかにはこのC-130を給油機に改造すればとの意見もあります。移駐が
問題となっている在日米軍KC-135給油機もほぼ同型機で、アラスカや西部空域でこ
れらから給油を受ける空自訓練が続けられています。
 今後4機導入のKC-767機は、給油と共に高い輸送力をもった輸送機です。特別機
やC−Xなど多くの輸送機を揃えて一体何を運ぼうとするのでしょうか。
 空中給油機導入の歴史は爆弾を少しでも多く積み、遠隔地爆撃のための歴史でも
ありました。爆撃などあり得ないとしても、そうした戦力を持つことはアジア諸国
の疑惑を招き、重大な脅威となって新たな不安定要因を生み出すのみです。
 私たちはKC-767給油輸送機の新配備撤回を要求します。一機約280億もする同
機が配備されることに納税者としても強く反対します。

2007年2月17日
                          関西共同行動