2008年浜松2・11集会
2月11日(月)午前9時半〜11時半 会場 浜松市地域情報センター
講師 塩入隆さん「平和の砦を一つ一つ守る・・九条を守り、平和を守り抜く」
(長野県立短大名誉教授、松代大本営朝鮮人犠牲者追悼碑を守る会会長、信州護憲ネットワーク代表委員)主催実行委員会

 

2008年の2.11集会では、塩入隆さんが「平和の砦を一つ一つ守る・・九条を守り、平和を守り抜く」という題で講演した。集会には90人が参加。以下、発言を要約しておく。

「戦後レジュームとの脱却」というが、この使い方は、戦後の民主主義を圧制や侮蔑的な政権のようにイメージさせる宣伝であり、異議がある。

明治憲法では、天皇への宗教性が構築されていき、学校での兵式体操・軍事教練などで国民の精神が洗脳された。特に1920年代後半から陸軍現役将校が配属され、日本歴史が「国史」とされ、官制の「神社制度調査会」が「神社は宗教ではない」とし、統合が強化された。

自民党の憲法案は「新憲法」と呼ぶべきものではない。新憲法とは政体の変革によって生まれるものである。自民党の憲法案は前文で、圧制や人権侵害を根絶させるための不断の努力などといっているが、それは自衛隊を海外派兵させるということだろう。第九条第2項は「自衛軍」の項となり、第76条では軍事裁判所の設置まで記している。派遣命令を拒否すれば軍事裁判にかけられるのだ。信教の自由についても「社会的儀礼や習俗的行為」の名で宗教活動を容認している。これはかつて「神社制度調査会」が「神社は宗教ではない」とした動きと同様である。

これから日本には多くの外国人が入ってくる。人権や平等や共存という理念がさらに必要になるだろう。最近の若い層は真実・人間・正義といった言葉に関心がないように見えるが、映像などを通じてさまざまな価値について提起し、表現する場を創っていきたい。以上発言から。 (文責 人権平和浜松)