531 YES!9NO!PAC3浜松集会・デモ

 

2008531日(土)、YES!9NO!PAC3浜松集会・デモがおこなわれた。514日からは秘密裡に浜松基地へのPAC3機材の配備が始まったが、集会とデモはそれに強く抗議するものであった。

13時からの浜松市男女共同参画推進センターでの集会では、主催者のあいさつののち、浜松現地のNO!AWACSの会の仲間が「グローバル戦争とPAC3配備の問題点」という題で報告し、浜松基地の歴史やAWACS配備以後の反基地運動、ミサイル防衛とPAC3配備の問題点を提示した。

集会の討論では、静岡県労働組合共闘会議、遠州連帯ユニオン、県学校労働者組合、9条ネットの仲間がそれぞれの立場から発言し、最後に愛知の不戦ネットの仲間がイラク訴訟違憲判決の意義と小牧基地を派兵の拠点とさせない取り組みについて、その想いを語った。

集会では、現地での大衆行動の体験での感動やそのような行動の重要さ、9条を語るだけでなく、現実にすすんでいる派兵や恒久派兵法制定の動きとたたかうこと、ミサイル防衛によるPAC3配備が日米の軍事的統合をすすめ9条を破壊するものであることなどが提起された。

  

 15時からは、浜松オートレス場バス停から浜松基地西山門付近へのデモがおこなわれた。参加者は「ミサイル防衛を止めろ」「PAC3はいらない」「AWACSはいらない」「イラクから撤兵しろ」「恒久派兵法反対」「浜松を戦争の拠点にするな」などとコールして基地前まで歩いた。基地内の官舎にむかっては、イラク違憲判決の意義とイラク撤兵、隊員の労働者としての人権擁護などを呼びかけた。

デモの後、浜松基地への要請行動が取り組まれた。基地は正門を閉ざしての対応であったが、基地関係者を外に呼び出し、531行動実行委員会と不戦ネットの2通の要請書を読み上げ、手渡した。                            (T

 

以下は531行動実行委員会の要請書

 

     ※

 

                          2008531

日本国首相様 防衛省大臣様

浜松基地司令様                

 

     浜松基地へのPAC3配備の開始に抗議し、その中止を求める要請書

 

 2008514日未明、浜松基地へとPAC3の管制装置などが配備されました。浜松基地へのPAC3配備は11月までに終了する予定といいます。わたしたちはこのPAC3の配備開始に強く抗議し、その中止を求めます。

 今回の配備は、512日に浜松基地渉外担当から浜松市へと通告されましたが、その際、防衛省・基地側は市に対し、搬入終了まで対外公表しないよう求めました。マスコミには事前に公表されず、配備終了後の14日の防衛省による記者会見で配備開始があきらかにされました。基地側は「安全・円滑な搬入の実施のため」などといっていますが、反対する市民の行動を恐れての秘密裡の配備と事後の公表にほかなりません。

今回の配備は、直前の通告はするが、浜松市には公表させず、夜陰にまぎれて市民に秘密のうちに配備し、マスコミには配備を事後に通告するというものです。これは、軍事組織による行政への緘口の指示であり、市民や報道機関の知る権利や情報提供行為への介入に他なりません。

防衛省が配備を正当とするのであるならば、主権者である市民にその配備をあきらかにしてすすめるべきです。わたしたちはこの配備が不当であると考え、誤りを糾す行動をおこないますが、それは平和的生存権、戦力不保持・交戦権否認、表現の自由などによるものであり、市民の権利です。

市民に配備計画を隠し、こそこそと行動する政府・防衛省のありようは、政府・防衛省自身がこの配備にやましさを持っていることを示すもの、といわざるをえません。このようなやり方は、主権者市民・行政組織・報道機関を愚弄する軍事組織の横暴であり、強く抗議します。

 PAC3の配備は「ミサイル防衛(MD))によるものですが、MDはアメリカのグローバル戦争のための先制攻撃の盾としてすすめられているものであり、攻撃的な内容を持つものです。MDによって日米の軍事的一体化がすすめられ、統合司令部の編成や宇宙の軍事化がおこなわれます。MDは集団的自衛権の行使の引き金となり、PAC3の発射が交戦権の行使にもなります。MDによるPAC3の実戦での使用は、日本国憲法そのものを破壊することになります。またMDは世界の軍事拡張を誘発しています。

 MD開発費は数兆円、PAC3の値段は15億円といわれています。浜松基地関係でのPAC3関連配備は540億円とされ、市民の税金がアメリカの軍産複合体やそれに追従する三菱重工などの軍需産業やロビイストの手に渡ることになります。「防衛」は口実であり、MDPAC3は軍需を利用して暴利を得ようとする者たちの商品です。このようなものに多額な税を使うのではなく、民生にこそ使うべきです。

 MDによるミサイルの配備は社会の軍事化や戦争国家化をいっそうすすめます。軍事組織による盗聴・盗撮が日常化し、監視国家化をすすめます。自衛隊による市民の監視が強化され、自衛隊の情報保全隊がイラク戦争に反対する市民を調査するようなことが繰り返されます。自衛隊員が海外に繰り返し派兵されるようになり、自衛隊員の生命が軽視され、自衛隊員自身の人権が侵害されるようになります。自衛隊員の自殺の増加は、派兵と人権侵害の増加と無縁ではありません。グローバル戦争による宇宙の軍事化と諜報活動の強化は私たちの社会の統制をいっそうすすめ、戦場に派遣するために隊員自身の人権を侵害することになります。

このようにMDによるPAC3の配備は、市民の平和的な生存を侵し、憲法に違反し、税を不当に支出するものであり、社会の軍事化をすすめるものです。よって、わたしたちはここに、その配備の中止を求め、それぞれがその配備の中止にむけて活動することを要請するものです。

       

 (以下は行動の呼びかけ文から) 

「アメリカと共に海外で戦争ができるようにと政府は日本国憲法を改悪し、戦力と交戦権を否認する第9条をなくそうとしています。

また「ミサイル防衛」という名のミサイル軍拡をすすめ、2008年度には新型パトリオットミサイル(PAC3)を浜松基地に配備しようとしています。

このミサイル配備は憲法の平和主義に反し、集団的自衛権の行使につながります。憲法第9条もPAC3ミサイルの標的になります。

三菱重工がライセンス生産するPAC3の費用は浜松分だけでも540億円もします。

いまこそ「YES!9NO!PAC3」の声が必要です。平和主義の原則を維持してミサイル軍縮をすすめ、ミサイルが飛びあわないようなアジアの共同体をつくるべきです。

531 YES!9NO!PAC3浜松集会・デモへの参加を!」