2009年4月28日未明、空自饗庭野基地にPAC3が強行搬入された。以下は5月2日、
に提出された「フォーラム平和関西ブロック」と「あいば野に平和を! 近畿ネットワーク」の抗議文。 
 

防衛大臣 浜田靖一様

    あいば野へのPAC3搬入に対する抗議

 私たちは、平和憲法のもとで、近隣諸国との友好交流を中心に、外交努力によっ
て世界の恒久平和に寄与することを願って運動をすすめています。
 アメリカではオバマ大統領が誕生し、単独行動主義をあらため国際協調による外
交の推進、イラクからの撤退、核兵器の廃絶など、これまでのブッシュ政権の流れ
とは違った方向を打ち出しています。
 また、アメリカ金融危機に端を発した世界的な経済危機の中、アメリカ・ドルの
相対的な地位の低下をもたらし、とりわけ経済統合が進む東アジアの相対的な地位
が高まっています。日本はこれまでの米国一辺倒の政策から、アメリカ・中国・ア
ジアとどのように平和友好関係を築いていくかが問われています。
 そのためにも、東北アジアの平和と安定は重要な課題であり、朝鮮の非核化の問
題も6カ国協議の枠組みの中での政治的な解決が図られなければなりません。
ロケット打ちあげに対する過剰とも言える反応と、ミサイル防衛では問題は解決し
ません。
 4月28日、秘密裏にあいば野にPAC3が配備されました。当面の費用が一兆
円、最終的には六兆円を超えるとも言われる膨大な費用がかかるミサイル防衛が、
多くの技術的な困難を抱え、その有効性に疑問がもたれたまま進められることは、
納得できるものではありません。
 さらに、米軍の軍事情報と一体的に運用されるシステムは、自衛隊が米軍と同じ
に見なされ、国際的な緊張関係を高めるだけです。
 真の平和を築くのは、軍事力や武力でなく「対話」と「信頼」の関係です。「有
事」の準備よりも「信頼」の醸成こそが重要だと考えます。
 以上を踏まえ、PAC3のあいば野への配備に強く抗議するものです。

           2009年5月2日
            フォーラム平和関西ブロック        
            あいば野に平和を! 近畿ネットワーク