2009.12.14
    
空自浜松基地自衛官人権裁判 第11回口頭弁論報告

12月14日、空自浜松基地自衛官人権裁判の第11回口頭弁論が静岡地裁浜松支部でもたれ、約50人が支援の傍聴に参加した。

前回の弁論では、原告側はSさんの上司であった課長とショップ長の調査報告書や供述調書についてのマスキングについて、文書提出命令を出させることも含めて、開示を強く求めた。その結果、今回の弁論までに国側はこれまでマスキングしてきた部分の多くを開示した。

それをふまえて原告側はSさんが亡くなるまでの経過を記した準備書面6を出した。これに対し、被告は国とNの反論書を215日までに出すとした。今後は、原告側が被告の法的責任を追及することになるだろう。

被告はSさんの死亡原因をNによるパワハラ以外に求め、さまざまな理屈をこねようとしている。遺族にさらに悲しい思いを強いる国側の居直りを許さずに、より多くの傍聴支援をすすめよう。

次回の弁論は31日の11時30分から。

 

12・14 学習会(講師三宅勝久さん)

12月14日の口頭弁論が終わってから、ジャーナリストの三宅勝久さんを招いて学習会がもたれた。主催は支える会、集会参加者は35人ほど。


三宅さんは、消費者金融を巡る取材の話から始め、消費者金融による多重債務の標的が、一定の収入のある者たちであり、そのなかには自衛官もあると指摘した。そして、田母神問題から旧日本軍が国民に対して行った犯罪に対してきちんと清算してこなかった点を批判し、現在のPKOやアメリカを支援しての海外派遣が自衛隊員にやりがいを感じさせるものではないとした。

さらに、最近では旧軍隊との結びつきが新たに強まり、部隊内での人権侵害が深刻な問題になっていることをあげ、裁判ではその実態を検証できるとした。また、自身が記録を書くことで実態が変わることもあると語った。

話ののちに参加者から自衛官の団結権などさまざまな意見が出された。今回の話をふまえ、あらたな海外派兵の時代に旧軍隊の体質がどのように継承され、新たな抑圧を形成しているのかについての議論をさらに深めていきたいと思った。                   (T)