花岡事件・64年目の真実  2009・7・4静岡集会

7月4日に静岡市内で、盧溝橋事件72周年の集い「64年目の真実・花岡事件」がもたれた。集会では、花岡事件の遺族、宋明遠さんと周長明さんが証言し、事件を研究している猪八戒さんが「戦争・土建・花岡事件」の題で花岡事件の概要を説明した。

 


遺族の周長明さんは祖父周慶錫さんを花岡に連行された。連行は1945年2月18日のことであり、村が襲われ、300人以上が殺され、200人以上が逮捕された。祖父も逮捕され、後に花岡に連行された。祖母は子どもを連れて乞食をして生きざるを得なかった。宋明遠さんは父の宋金徳さんを花岡に連行された。1945年の旧暦の正月の23日にことだった。食料が足りず、母は子どもを連れて乞食をしながら生きた。父を知らず、父の愛も一日も受けることができなかった。

猪八戒さんは花岡事件について、現地調査、資料調査、裁判支援の活動の体験から、事件について説明した。アメリカでの資料調査、6尺棒に釘をつけての殴打、中国人に中国人を処罰させる管理、鹿島の戦争犯罪への無責任、蜂起にいたる指導部内部の状況、天皇と日の丸の下で育った人々の精神状況、和解をめぐっての動向など、さまざまな視点から解説した。

会場には志村墨然人さんの墨描作品が展示された。三日月の下で蜂起した中国人が、黒い太陽の下で拷問される様を描いた花岡蜂起の絵は迫力があった。

中国人強制連行の被害者は連合会を結成し、2009年8月には東京での合同慰霊祭も企画されている。強制連行問題の解決にむけての、読者の支援を呼びかける。 (T)