2010夏、沖縄への旅

 沖縄は盆の真っ最中。そんな中でも辺野古テント村への来客は多かった。個人、団体を問わずひっきりなしに訪れる人たちへの対応に追われていた。2004年4月19日から始まった辺野古での座り込みは2320日間続いている。ここまで来るのには、紆余曲折、いろいろなことがあったのであろうが、とにかく座り込みが続いていることに、まず驚かされる。しかも、「基地を作らせない」という意気込みが、静かでありながら衰えるどころか、益々さかんであることが伝わってくる。辺野古テント村の人々の後ろにはまだ多くの沖縄の人々がついている。鳩山前首相、管首相の「辺野古に基地を作ることができる」という判断は誤りであるということが実感させられる。

 さて、沖縄は選挙の季節である。まず、8月31日告示の本部町長選挙、粟国村議会議員選挙を皮切りに9月26日までに30市町村で選挙が実施される。注目は9月12日の名護市議会選挙である。27人定員のところ37人ほどが立候補予定のようだ。大変な激戦になりそうである。テント村はもちろんTさんを応援している。朝早くから名護市の中心地にたってビラ捲きと演説をしていた。

 もう一つは11月の知事選挙である。仲井真知事と伊波洋一氏の一騎打ちのようである。他に翁長那覇市長等の名前など2,3人挙がっていたようであるが、このふたりの争いになりそうである。辺野古の新基地建設に対して、仲井真現知事は「難しい」とは言っても、決して「反対」とは言わない。そして、仲井真氏がもし当選するようなことになれば、一旦静かになっている容認派の人たちが息を吹き返すことになる。辺野古への新基地に反対している人たちの伊波氏への期待は大変大きい。「伊波氏が当選すれば、稲嶺名護市長と共に、直接アメリカと交渉してくれるのではないか」という話を聞いた。伊波氏の行動力そしてその人柄は、遠くから見ている私も最適任者であると思う。今回の名護市議選、沖縄知事選は日本の将来にも大きな意味を持つ選挙となりそうだ。

 8月24日の琉球新報のトップ記事は、辺野古の新基地における飛行経路が日米で異なっていたことであった。日本側の台形の飛行経路に対し、米側は「飛行機が台形に飛べるわけがない。日本政府は国民に正直に説明せよ」というものであった。こういうのを茶番劇というのであろうか。これは昨年から始まった「環境アセスやり直し裁判」に大きな影響を与える模様である。

 辺野古の海岸で長い間象徴になっていた有刺鉄線が撤去される。来年早々の着工予定で、基礎構造物とフェンスになるようである。

 今回お世話になった沖縄の人たちから強く感じたことは、日本の首相がだれであろうと辺野古には絶対に新基地は作らせないという強い意志である。鳩山前首相にも、管首相にもほとんど期待していない。いや、期待したときはあったがもうしないということである。自分たちの手で阻止していく。そのためには、今回の選挙は絶対に負けられない。明るく、和やかに、そして強く闘っている、そんな姿に大変勇気づけられた。

「勝つ方法、それは、あきらめないこと」、看板にあった文字である。    (池)