ピースサイクル浜松、浜松市と浜松基地に要請
      AWACSのレッドフラッグアラスカ演習参加の中止を

 

2011年7月25日、ピースサイクル浜松が浜松市と浜松基地に要請行動をおこなった。

 浜松市では、市民生活部の担当者に平和行政の確立を要請した。浜松市は市制100年にあたり、平和都市宣言をおこなった。 しかし、平和行政を担当する部署はない。言葉だけの「平和宣言」である。浜松市は平和行政を実行することでその宣言が実現できるようにすべきである。

浜岡原発の廃炉についても市として取り組むように要請した。浜岡から40キロの浜松市にとって、原発の重大事故は行政機能の破壊につながる。浜松市長は湖西市長とともに原発の廃炉をもとめるべきだ。また、セシウム汚染の実態について市は独自に調査して、その値を積極的に公表すべきだ。

浜松市の市民生活部の浜松基地についての見解は「訓練基地」というものである。これに対してはAWACSが実戦機であり、PAC3が実戦配備された経緯から、基地の軍事的機能が大きく転換している実態を認識し、見解を転換するように強く申し入れた。要請参加者は、市民生活部次長の危機意識のない官僚的な答弁に強く抗議した。  

浜松基地には、AWACSのアラスカでの共同演習への参加と浜松からの派兵に強く抗議した。AWACSのアラスカ派兵は2003年以来、9回目になる。日本のAWACS、空中給油機、F15 がアラスカにまで行って、戦争の訓練をおこなうことは、「自衛」の域をこえたものでもある。AWACSそのものにNO!の声をあげると共に、基地からの派兵に反対することを決意して要請を終えた。                      (P)

 

2011年7月25日

浜松市長 鈴木康友 様                     ピースサイクル浜松

                                     NO!AWACSの会浜松               

 

          平和行政の確立を求める要請書

 

 私たちピースサイクルは、自転車を使って全国を走る平和運動です。毎年6月から8月にかけて、沖縄をスタートし、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキに向けて、日本全国をサイクリングしながら核兵器の廃絶をはじめ平和・環境・人権に関することをアピールしています。

核の平和利用と言われ続けてきた原子力発電は、あらゆる生物の生存をおびやかす放射能と引き換えにしか得られないエネルギーの製造手段であることを、福島の原発震災ではっきりと知りました。

 福島第一原発の引き起こした原発震災は4ヶ月余りを経過し、いまなお終息が見えず、放射能災害を深刻化させ続け、海の汚染も拡がっています。福島のこどもたちは被曝の危険の高い環境に放置されています。多くの人々が家や田畑から引き離され、先祖から受け継いできた故郷を強制的に放棄させられ、新たな汚染地の発見も続いています。

 5月6日、菅首相が東海地震の危険性を考慮して浜岡原発の全機の停止を中部電力に要請し、電力側もこれを受け入れました。ただし、今後18mの防波壁を建設するなどの対策を講じた後は運転再開を認める可能性もあります。

第2の“フクシマ”を防ぐために、防波壁建設に無駄な大金と時間を使う前に浜岡原発全機廃炉の方針を打ち出すよう中部電力に要請してください。原発反対を語る湖西市長と共同してください。

 浜松市は、2011年7月1日浜松市平和都市宣言を行いました。私たちが長年要請し続けてきたことがやっと実現しました。宣言の中で「昭和20年の大空襲により、多くの市民の尊い命を失いました。」とあります。大空襲は浜松に軍需工場と軍事基地が存在していたからにほかなりません。

 航空自衛隊浜松基地には、98年のAWACSの配備、さらにPAC3(新型ペトリオットミサイル)配備など、市政と市民の利益にならない基地の増強が続いています。市は、浜松基地は教育訓練基地であると言いますが、PAC3が東北に実戦配備されたように軍事基地にほかなりません。

 私たちは、自治体による平和のための外交努力と、平和行政の取り組みが必要だと考えます。浜松は、「宣言」に沿った平和行政・平和教育を推進していただきたいと思います。市長は、今こそ市民が安全で安心な生活ができるよう80万人市民の先頭に立って平和行政を展開していただきたく、以下の要請を行います。

 

 

1 浜松市長は、中部電力浜岡原子力発電所の全機廃炉を要請してください。

2 浜松市長は、航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請してください。

3 浜松市長は、AWACSとPAC3の廃棄を市民とともに訴えてください。

4 浜松市長は、空襲死亡者の氏名を刻んだ追悼碑を建ててください。

 

日本国首相様                      2011年7月25日

浜松基地司令様                     ピースサイクル浜松

                                NO!AWACSの会浜松

 

 日米共同訓練「レッドフラッグアラスカ」への参加の中止を求める要請書

 

米空軍が主催する共同訓練「レッドフラッグアラスカ」に、2011年6月27日から7月29日にかけて日本の航空自衛隊が参加して訓練を行っています。今回は浜松基地のAWACS・1機、小牧基地のC130・3機、空中給油機・2機、小松基地のF15・6機などが参加し、小松のF15は米軍の空中給油機から給油を受けて太平洋を横断していきました。この訓練はアラスカのアイルソンやエレメンドルフの基地を中心に行われます。また、この訓練の期間の7月7日・9日には日豪の共同訓練も行われています。ここに、私たちはこのような訓練への参加の中止を求めます。

アメリカはグローバルな戦争態勢を構築するために日米の共同訓練を強化し、「コープサンダー」の名による日米共同訓練を行い始めました。イラク戦争が始まった2003年には、浜松基地のAWACSが初めてこのアラスカでの訓練に参加しました。私たちはこの訓練への参加に強く抗議しました。以来、浜松のAWACSも参加しての訓練は続けられ、2007年からは「レッドフラッグ」の名で実施されています。小牧の空中給油機も参加するようになっています。

AWACS・戦闘機・空中給油機を使っての訓練は海外での戦闘攻撃訓練であり、アジアでの軍事的な緊張を強めるものであり、アメリカがすすめるグローバルな戦争に加担するものです。日豪の海での共同訓練も同時期に南シナ海で行われています。中国を仮想敵としての軍事訓練を強めることはアジアの平和にはつながりません。

 地震と原発事故の中で、必要なものは戦闘を想定する軍隊ではなく、災害復興を担う特別組織であることが明らかになってきました。自衛隊はそのような組織に再編成すべき時期です。アメリカは「トモダチ作戦」の名で、核汚染演習を日本で行い、日米の共同統合組織を立ち上げ、日本内での港湾などの有事使用や除染訓練を実行しました。アメリカはアフガンやイラク、沖縄での軍事占領や基地建設を今すぐ中止すべきです。本当の「トモダチ」は戦争や軍事占領を行いません。

そのような口先の「トモダチ」がおこなう軍事訓練への参加は今すぐ中止すべきです。

 以上要請します。

 

賛同団体

人権平和・浜松

静岡県労働組合共闘会議

ピース・フィロソフィー・センター(バンクーバー)

反安保実行委員会(東京)

許すな!憲法改悪・市民連絡会

劣化ウラン兵器禁止市民ネットワーク

小松基地問題研究会          

「ノーモア南京」名古屋の会

アジア共同行動日本連絡会議

宇宙への兵器と原子力配備に反対するグローバルネットワーク

 

 

July 25, 2011

 

A Petition to Stop Participating in “Red Flag Alaska,” the Japan-US Joint Drill

 

Dear Prime Minister of Japan and Chief Commander of Hamamatsu Base,

 

  Japan Air Self-Defense Force is now taking part in “Red Flag Alaska,” the joint drill led by the US Air Force from June 27 to July 29. One AWACS from Hamamatsu Air Base, three C-130s from Komaki Base, and six F-15s from Komatsu Base participate in this drill. F-15s crossed the Pacific Ocean air-refueled by the US tanker plane. This drill is being held around the Eielson- and Elmendorf Air Force Bases in Alaska. On July 7th and 9th Japan-Australia joint drills were held. We resolutely demand to stop participating in such drills.

  The United States has been reinforcing the US-Japan joint drills to construct the global war system, and started the “Co-op Thunder” US-Japan joint drill. In 2003, when the Iraqi War started, AWACS from Hamamatsu Air Base joined this drill in Alaska for the first time, despite our strong objection.  Since then this drill has been continuing, and from 2007 its name has been changed to “Red Flag,” in which AWACS from Hamamatsu Air Base and an air tanker from Komaki Base have joined.

  This drill, with AWACS, combat planes, and tanker planes, is aiming toward preparing for attacking other countries, which increases military tension in Asia. It also participates in the US-led global war. At the same time another joint drill between Japan and Australia is being held in the South China Sea, China being the imaginary enemy. This drill will also heighten the tension in this area.

  Through the bitter experience of the earthquake and the nuclear power plant accident, it has come to light that what is necessary is not a military which prepares for battle but organization which works for the recovery after the disaster. This is the time to reorganize the Self Defense Force as such an organization. In the name o f “Tomodachi-Operation,” the US maneuvered up the radioactive contamination in Japan; it constructed the US-Japan Joint Chiefs of Staff; and it did a drill for both the emergency use of ports and washing of the contaminated things. 

  The US should stop the occupation of Afghanistan, Iraq, and Okinawa. The true “Tomodachi” would not stage war, nor occupy other countries. We demand the Japan Self-Defense Force not participate in the military drill with such empty “Tomodachi.”

Yours Sincerely,

 

Peace Cycle, Hamamatsu

No AWACS, Hamamatsu