7.24ピースサイクル、中部電力に浜岡原発の廃炉を要請
2011年7月24日、神奈川から自転車に乗ってきた仲間とともに、浜松のピースサイクルが中部電力前に到着した。中部電力浜岡発電所前で以下の要請文を手渡した。対応した広報担当者は「1000ガルまで耐えられます」と繰り返すだけだった。
マグニチュード9に近い直下型の大地震に原子力発電所が耐えることができると想定すること自体に無理がある。中電は停止から、廃炉に向けての工程表を作成すべきときだ。中電は津波対策をすれば安全であるとしているが、原発が地震そのものに耐えることができないことを自覚すべきだ。
7月27日には名古屋の仲間が、中電本社に要請行動をおこなった。 (P)
以下要請書
2011年7月24日
ピースサイクル神奈川
ピースサイクル浜松
人権平和・浜松
浜岡原発の廃炉を求める申入れ書
ピースサイクルは、全国の平和を求める人たちが、毎年、6月の沖縄から、8月の広島・長崎に向けて、反戦・反核・反原発を訴えて、自転車のリレーで全国各地を繋いでいる市民運動である。浜岡原子力発電所にも、1989年以降、申入れ行動を行ってきた。そして、今年の申入れは、東日本大震災による福島原発人災を受けての行動であり、ピースサイクル神奈川のメンバーも、「浜岡原発を、廃炉にしろ!」の強い思いで、この場に参加している。
いま、浜岡原発は管首相の「英断」によって、いつ起きてもおかしくない東海大地震の危険性を考慮して、全機が停止している。しかし、中部電力の考えは、「2年後に15メートルの防波堤等の建設をして対策を講じれば、原発の運転再開を認めろ」という条件を出している。私たちは、「中部電力の津波対策等で形だけ整えれば安全だ」とする、福島原発事故の人災から何も学んでいない企業倫理に満腔の怒りをもって抗議をする。中部電力は、公共性をもった企業であるにも拘らず、国民の生命を奪おうとしているのだ。
この中部電力の企業倫理は、憲法第13条 [個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重]
及び、憲法第25条 [生存権]に、明らかに抵触している。
福島原発人災は、いまだに収束のめどが立たずに、放射能汚染が拡大していることを百も承知のうえでの2年後の運転再開は暴挙であり、中部電力に人の命を奪う権利は断じてない。 よって、以下の要請に誠実に対応すること。
記
1, 浜岡原子力発電所を、直ちに無条件に、廃炉にすること。
2, 中部電力は、脱原発を確立し、国民に親しまれる企業になること。
以上
中部電力(株)社長 水野 明久様 2011年7月27日
ピースサイクル愛知・名古屋実行委員会
浜岡原子力発電所の閉鎖を求める申し入れ
今にして悔やまれるのは、1979年のアメリカ・スリーマイル島の原発事故、1986年のソ連(現ウクライナ)・チェルノブイリの原発事故は、3月11日の東日本大震災、東電・福島原発事故への“警告”だったかもしれないということです。
そして私たちは、石橋克彦さんが提唱された“原発震災”の可能性、重大性をもっと真剣に、もっと謙虚に、もっと現実感をもってうけとめ、国の政策に反映させ、貴社をはじめとする電気事業者に提起し、原子力発電からの撤退を粘り強く迫るべきだったという思いが募るばかりです。
この悔いさえ残る思いは、今も強くなることはあっても消えることはありません。中部電力さんは、どうお思いでしょうか。
これまで政府も電気事業者も、危険であることを知っていればこそ、原子力発電の絶対的な安全性を強調してきたのではありませんか。しかし、その絶対的安全性が崩壊した今、そして何より、30年以内の発生の可能性が84%といわれる東海地震(東南海地震、南海地震の同時発生も)の、震源域真上にある浜岡原発の重大な危険性は、不可避とも言えるでしょう。それ故、菅総理の浜岡原発全機停止要請とそれを受け入れた中部電力の対応を私たちは高く評価します。
このうえは、様々な困難を乗り越え、この日本のみならず、世界の先駆けとなる、電気事業者として、原子力発電からの撤退を決断し、その証となる「浜岡原子力発電所」の閉鎖の声明を出されてはいかがでしょうか。私たちは、それを強く望みます。
本日、ピースサイクル愛知として以下の要請をします。
記
1、電源としての原子力発電をやめ、原子力発電所の新・増設計画を白紙に戻し、浜岡原子力発電所を閉鎖してください。できるだけ早く、その声明を発表してください。
2、冷温停止中にある核燃料、使用済み核燃料の安全管理を徹底し、いかなる状況の下でも、放射性物質の放出、流失、浸潤などがない処置を確実なものにして下さい。
3、放射性の濃度に関係なく、全ての核廃棄物は、厳重管理のもと、貴社の敷地内に保管してください。
4、原子力発電に代わる、再生可能なエネルギー源の開発、拡大に集中してください。過渡的には、石炭、石油、天然ガスなどの火力発電の採用も避けられませんが、CO2などの排出をゼロに近づける研究開発と投資も進めてください。
5、これらの問題は、国の政策、企業努力が大ですが、同時に市民の英知の結集も欠かせないと考えます。そこで、原子力の専門家ばかりでなく、「脱原発、卒原発」に向けた市民・市民団体などを加えた話し合いのテーブルを用意されてはいかがですか。そのためには、全ての情報を開示することが重要になります。
以上について、ぜひご検討ください。