7.25ピースサイクル、浜松市と浜松基地へと要請
浜松市では市民生活担当や危機管理担当と交渉し、市民の安全を守り、独自の平和行政を確立するように
強く要請しました。
浜松基地へは浜松基地が米軍戦略に組み込まれて派兵に拠点となっていることに抗議し、AWACSやPAC3の撤去を要請しました。

 2012年7月25日

浜松市長 鈴木康友 様                ◎ ピースサイクル浜松

                                ◎NO!AWACSの会浜松

            平和行政の確立を求める要請書

 私たちピースサイクル全国ネットワークはこの27年間、自転車で全国の人とつながり、反戦・反核、平和、人権、環境保護を訴えてきた平和運動です。毎年6月から8月にかけて、沖縄から、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキ、8月18日六ヶ所村に向けて、日本全国をサイクリングしながら平和・環境・人権に関することがらをアピールしています。

原子力発電は「核の平和利用」と言われてきましたが、あらゆる生物の生存をおびやかす放射能をもたらすエネルギー手段であることが、福島の原発震災ではっきりとわかりました。

 福島第一原発の事故は1年4ヶ月余りを経過しましたが、いまなお収束が見えず、放射能汚染はいっそう深刻なものになっています。福島のこどもたちは被曝の危険の高い環境に放置されています。多くの人々が家や田畑から引き離され、先祖から受け継いできた故郷を強制的に放棄させられました。

昨年5月、菅前首相が東海地震の危険性を考慮して浜岡原発の全機の停止を中部電力に要請し、電力側もこれを受け入れました。しかし、中電は18mの防波壁を建設するなどの対策を講じた後は運転の再開をねらっています。使用済み核燃料プールに保管されている燃料体の危険性は、福島4号機の事故からも明らかです。国会の事故調査委員会の報告書では、地震による原子炉の損傷について「ないとは確定的には言えない」と指摘しました。第2の『フクシマ』を防ぐために、浜岡原発全機廃炉の方針を打ち出すよう中部電力に要請してください。原発反対を語る湖西市長と共同してください。また、政府は汚染されたがれきを全国に拡散させて処理しようとしていますが、浜松市としては受け入れるべきではありません。

航空自衛隊浜松基地には、98年のAWACSの配備、さらにPAC3(新型ペトリオットミサイル)配備など、アメリカの軍事力と一体化するような基地の増強が続いています。市は、浜松基地は「教育訓練基地」であると言い続けていますが、すでに浜松基地は警戒航空隊やPAC3を持つ最前線の実戦基地になっています。市長は、航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請してください。

浜松市は、昨年の7月1日「浜松市平和都市宣言」を行いました。私たちが長年要請し続けてきたことがやっと実現しましたが、この一年間何を行ったのか市民に見えてきません。宣言の中で「昭和20年の大空襲により、多くの市民の尊い命を失いました」とあります。大空襲は浜松に軍需工場と軍事基地が存在していたからです。平和都市を語るのであるのならば、軍事基地をなくすために行動すべきです。また、空襲で亡くなった人々の名前を碑に刻み、後世に語り伝えるべきです。

 私たちは、「平和都市」として、自治体による平和のための外交努力と、平和行政の取り組みが必要だと考えます。浜松は、「宣言」に沿った平和行政・平和教育を推進していただきたいと思います。市民が安全で安心な生活ができるよう80万人市民の先頭に立って市長が平和行政を展開するよう、以下の要請を行います。

1 浜松市長は、中部電力浜岡原子力発電所の全機廃炉を要請してください。

2 浜松市長は、航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請してください。

3 浜松市長は、AWACSとPAC3の廃棄を市民とともに訴えてください。

4 浜松市長は、空襲死亡者の氏名を刻んだ追悼碑を建ててください。

日本国首相様 防衛大臣様                           2012年7月25日

浜松基地司令様                                   ◎ピースサイクル浜松

  ◎NO!AWACSの会浜松

                   

              要   請   書

                           

  私たちピースサイクルは、自転車を使って全国を走る平和運動です。毎年6月から8月にかけ沖縄をスタートし、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキに向けて、自転車で全国の人とつながり、反戦・反核、平和、人権、環境保護をアピールしています。

航空自衛隊は6月8日から6月23日の間、米軍がおこなう共同訓練「レッド・フラッグ・アラスカ」に参加しました。この訓練はアラスカ州のアイルソン空軍基地とエルメンドルフ・リチャードソン統合基地の周辺空域で防空戦闘訓練、戦術空輸訓練、空中給油訓練などをおこなうというものでした。航空自衛隊からは人員310名と小松基地のF-15、浜松基地のAWACS(E-767)、小牧基地の輸送機C-130と同基地の空中給油機KC-767などが参加し、F15は米軍の空中給油機からの給油を受けてアラスカまで行きました。私たちはこの訓練に浜松基地のAWACSが参加したことに強く抗議し、今後は航空自衛隊が参加しないことを要請します。


 今年の3月には米軍横田基地に航空自衛隊の司令部が移転し、日米の軍事的な一体化がすすんでいます。日本のAWACSと空中給油機が参加して米軍との共同訓練がおこなわれるということは、日米が一体となり、共同の指揮をおこなうということであり、集団的な自衛権行使につながるものです。それは交戦権を否定した日本国憲法に反する行動です。
 防衛省は2012年4月に、朝鮮の衛星ロケット発射を口実に沖縄やその周辺へと自衛隊が大展開するという行動をおこないましたが、そのような軍事的な展開はおこなうべきではありません。
宇宙覇権によるグローバル戦争や宇宙ビジネスを進めるアメリカの世界戦略に加担してはなりません。このような沖縄への派兵や米国での共同訓練に参加することは、即、中止してください。
 

米政府は一方的に米海兵隊普天間基地所属のCH46輸送ヘリの交代機としてMV22オスプレイの配備を通告し、日本政府はそれを追認しました。7月2日にサンディエゴ港を12機のオスプレイを積んだ自動車運搬船グリーンリッジは、23日に抗議のなかで岩国に到着しました。オスプレイの配備は日本をさらに派兵の拠点とするものです。

 オスプレイは開発段階から事故を繰り返し、今年4月に事故を起こしたばかりではなく、6月にも空軍の同型機CV22オスプレイも墜落事故を起こした欠陥機です。このような航空機が私たちの住む上空を飛行することは断じて許されません。搬入・配備に強く抗議し、中止を要請します。

 浜松基地は、98年のAWACSの配備以降、基地周辺の騒音被害や事故の危険性は増大し、住民の不安と怒りは渦巻いています。AWACSやPAC3の配備は米国によるグローバル戦争とミサイル防衛に日本を組み込むものであり、集団的な自衛権の行使につながるものです。

 私たちは平和を願うものとして、このように浜松が再び戦争と派兵の拠点となっていることを憂慮し、浜松が生命を大切にする地域となり、平和の拠点となっていくことを願います。私たちはここに平和への思いをもって以下を要請します。

                記

1 AWACSを撤去すること

2 PAC3を撤去すること

3 夜間飛行訓練を中止し、静かな夜を市民に返すこと

4 市民運動への監視を中止すること

5防衛省は人権侵害・隠ぺい体質を改めること