浜松基地司令様                 2013年4月16日

防衛大臣様                   NO!AWACSの会浜松

                        ピースサイクル浜松

                        人権平和・浜松

浜松基地のPAC3の沖縄移転に抗議し、その撤去とミサイル防衛からの撤退を求める要請書

2013年4月12日、防衛省は浜松基地に配備されている8基のPAC3のうち4基を、4月中に沖縄の那覇基地と知念分屯基地に移転し配備するとし、4月16日に移動をはじめました。この移転配備の理由は、早期の迎撃態勢の構築と本土からの輸送では時間がかかるためとしています。わたしたちはPAC3の浜松配備に反対し、その撤去を求めてきました。今回の沖縄への移転配備に強く抗議するとともに、その撤去を求めます。

ミサイル防衛(MD)はアメリカによるグローバル戦争推進のための道具であり、PAC3はMDにより、地上に配備されたミサイルです。アメリカは宇宙を軍事化し、予防先制攻撃とミサイル防衛によってグローバル戦争をすすめ、日常を戦時としています。アメリカの軍事衛星からの情報によって軍事作戦が展開されるようになり、この戦争システムに日本も韓国も組み込まれています。日本では米軍横田基地に米日共同作戦司令部ができました。浜松基地へのAWACSやPAC3ミサイル配備はこのグローバル戦争の拡大の一環でした。

アメリカはメディアを操作して、さかんに「北朝鮮の脅威」を煽っていますが、近年の動向をみれば、世界各地でグローバルな戦争をすすめてきたのはアメリカです。最近では米韓軍事演習を強め、朝鮮北部に侵攻し、核施設を制圧することを目的とした合同軍事演習「キーリゾルブ」、「フォールイーグル」をおこなってきました。今も20万人を動員して朝鮮半島での戦争を想定した野外実動訓練「フォールイーグル」がおこなわれています。この訓練に核攻撃ができるB2ステルス爆撃機とB52爆撃機が参加し、さらにF22ステルス戦闘機も投入されました。そのような軍事挑発が北のいっそうの反発を生み、核とミサイルの軍拡となっています。このような軍拡が、朝鮮半島での核戦争の危機をもたらしています。今回の浜松基地のPAC3の沖縄への移転配備はアメリカの戦略によるものです。

いま求められていることは、朝鮮半島での戦争ではありません。軍事的な緊張関係を緩和し、外交による話し合いを強め、軍備の縮小をすすめ、核とミサイルを撤去することが求められています。特に朝鮮戦争以来、60年以上も休戦のままであるという状態を改め、平和的な協定・条約をとり結ぶことがもとめられます。

沖縄へのPAC3ミサイルの移転は軍拡への道であり、沖縄を戦争の拠点としてさらに強化することです。そのような方向ではなく、東アジアの非軍事の平和にむけて、アメリカによる核とミサイルの軍拡であるMDから撤退する道を選ぶべきです。核抑止論を捨て去り、核とミサイルの禁止をすすめることが世界平和への道です。

破壊措置命令の発令は戦争発動につながるものであり、日本国憲法に違反することになります。浜松基地のAWACSはその命令によって早朝・深夜での離着陸をはじめました。その離着陸の轟音は戦争を予感させるものです。わたしたちはこのような戦争の準備に強く抗議します。

基地司令と大臣が、浜松基地PAC3の沖縄移転の撤回とその撤去をすすめ、ミサイル防衛からの撤退にむけて行動することを、ここに要請します。