823『島ぐるみ会議全国キャラバン』静岡集会

 

2015823日、静岡市内で『島ぐるみ会議全国キャラバン』静岡集会がもたれ、100人が参加した。集会では沖縄の島ぐるみ会議の島袋純さん(琉球大学)が、島ぐるみ会議の運動を紹介しながら、辺野古での新基地建設反対と沖縄の自己決定権の強化について話した。

 島ぐるみ会議の正式名称は、沖縄の「建白書」を実現し未来を拓く島ぐるみ会議である。建白書とは、2013年1月28日に政府に出された、沖縄県内41市町村全ての自治体がオール沖縄を掲げ、オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖撤去、県内移設の断念をもとめた文書のことをいう。島ぐるみ会議はこの建白書の実現するに結成された団体である。

 島ぐるみ会議は、辺野古バス、運動の草の根の展開(各地での会議の結成)、国内外での活動推進、国連への取り組みなどをすすめ、全国キャラバンをはじめた。辺野古基金の設立もすすめてきた。

 島袋さんは講演で、沖縄の軍事基地が銃剣とブルドーザーによって住民の土地を奪って建設されたこと、アメリカ軍政下、密告とスパイの配置、軍事裁判による処罰、集会・結社・報道の自由のない状況のなかで、沖縄の人々が島ぐるみの闘いをすすめてきた歴史を示し、沖縄の自己決定権拡大と運動の全国化、国際的な立憲主義の伸長によって、新基地建設を止め、さらに米軍の活動を制限していく展望を語った。

 国連の人権委員会は2008年の報告書で、沖縄の人々を自己決定権のある先住民族として認めている。国際的に先住民族の自己決定の権利が重視される時代、米軍により軍事的な植民地とされ、さらにグローバルな米軍の展開のために軍事の強化がすすめられるというなか、「オール沖縄」による島ぐるみ会議の結集の力は、沖縄の歴史的体験を核とするものであり、強いものがある。

島袋さんの、安保体制下での米軍の行動は、立憲主義の統制を無視するものであり、安保法制は、その米軍に自衛隊を組み込みものとする、安保法制により立憲主義の危機はさらにすすむという指摘は、正しい。

講演後、NO!NO!BANDが、永良部百合の花、ソリダリティフォーエバー、命の海に杭は打たせないの3曲を歌った。                  (T