金優綺講演
「朝鮮学校無償化排除・ヘイトスピーチの現在」

 

20151123日、静岡朝鮮学校・友の会による講演会がもたれ、金優綺さんが「朝鮮学校無償化排除・ヘイトスピーチの現在」の題で講演した。

金さんは、2010年からの高校無償化制度からの朝鮮学校の除外と地方自治体による朝鮮学校への補助金停止の事例、2008年ころからの排外主義集団による朝鮮人学校への襲撃の実態をあげ、20148月の国連の人種差別撤廃委員会での在日本朝鮮人人権協会をふくむ人種差別撤廃NGOネットの活動について報告した。

NGOネットの活動により、20149月の国連人種差別撤廃委員会による日本政府への勧告には、高校授業料就学支援金制度の恩恵を朝鮮学校が受けられるようにすること、地方自治体に対し朝鮮学校に補助金支給を再開・維持することを促すこと、この勧告の実施のためにとった具体的措置を報告することなどが入れられた。日本政府側は差別でないと言い張っているが、国連の人種差別撤廃委員会は、拉致問題を口実にしての朝鮮学校生徒への就学支援金や補助金の停止が人種差別であると認定し、政府にその改善を勧告したのである。

20158月の安倍談話以後、日本政府はHPから「植民地支配と侵略」の語を削除した。また、ユネスコ世界遺産の登録では、明治産業革命遺産の登録をすすめながら、他方で南京虐殺の記録遺産登録には反対の意思を示した。南京虐殺の登録に抗議して、ユネスコへの拠出金の削減まで口走った。

安倍政権は、歴史修正主義を強め、侵略や植民地支配を認めようとしない。それは、植民地主義の克服や過去の清算への認識の芽を摘むことになる。そのような動きのなかで民間での排外主義による暴力が放置されている。

しかし他方で、地域に住む朝鮮人の子どもたちに笑顔を!と呼びかけての活動がすすめられているのである。                         (T