「沖縄はいま」琉球新報・新垣毅さんの話

2016年12月3日、静岡市内で「沖縄はいま」をテーマに琉球新報の東京支局報道部の新垣毅さんが講演した。主催は静岡県労働組合共闘会議であり、60人が参加した。

新垣さんは東京支局に赴任した際、沖縄紙の記者には部屋を貸さないという差別を受けた。その体験をふまえて、今も続く植民地主義、沖縄への差別とすすむ排外主義の危険性を指摘し、琉球王国の独自の歴史を見直すとともに、沖縄の人びとの自己決定権を柱とした東アジアの平和形成を呼びかけた。

新垣さんの話の概要は以下である。

沖縄では、今、日本政府によって辺野古新基地建設・高江ヘリパット工事・沖縄県への裁判の3方面からの攻撃がなされている。南西諸島への軍事強化もすすんでいる。新安保法制により、自衛隊は海兵隊と一体化して動くようになる。

日本政府は負担軽減を語るが、それは基地の機能強化と基地の永久固定化であり、欺瞞である。政府のいう負担とは、有事の際の戦場化であり、平時での騒音や犯罪を含む人権侵害である。95年の少女暴行事件は人権侵害であったが、基地の移設・機能強化へとすり替えられた。辺野古問題で政府は県を訴えたが、その9月の地裁の判決は自治を破壊するものであり、裁判所が防衛局の代弁をするコピー判決だった。

高江では、北部訓練場の51%を返還し、これは在沖米軍基地の2割にあたるが、ヘリパッドをつくるというものだ。オスプレイによる夜の騒音も増加し、今年の6月の19時から7時の騒音は383回に及んだ。高江での工事で機動隊が住民に「土人」発言をしたが、政府は見解をまとめ、閣議決定で差別ではないとした。政府のいう沖縄の負担とは、戦争のトラウマに刺さるナイフのようなものだ。 

このような状況に対して、人民の自己決定権を提示している。歴史的には琉米修好条約など3条約があり、琉球王国が独立国であり、その平和政策を知ることができる琉球王国は国際法上の主体であり、琉球処分は国際法違反とみることができる。アメリカのハワイの併合問題ではクリントンが謝罪している。琉球の主権を再発見し、今も続く植民地主義を克服したい。沖縄の復帰運動ではアメリカ支配の無法状態のなかで、日本の憲法への復帰が望まれていた。

今、沖縄では、保革の対立という状況があったが、保守側も基地が経済の発展阻害要因とみなすようになり、オール沖縄による翁長県政の誕生のように新たな状態が生まれた。沖縄の辺野古・高江での闘いは、住民の生活、生態系を守るものであり、非暴力で新安保法制を骨抜きにするものである。また、立憲主義と主権を獲得するものであり、植民地主義との決別をすすめるものである。

平和にむけて、日米同盟に偏るのではなく、対話により領土や歴史認識での対立を克服し、東アジアでの共同体構想を実現することが求められる。