石川文洋浜松講演「戦争と人生を語る」

2017年2月5日、浜松の楽器博物館の音楽工房で、石川文洋さんの講演があった。主催はコーポ浜松。石川さんはベトナム、カンボジア、ボスニア、沖縄などの戦地を取材してきたが、戦争を次の世代に伝えるのが義務とし、つぎのように話した。

沖縄戦では、身内が14人死んだ。戦争は人間がするものだから、人間が止められるはずだ。沖縄は、ベトナム戦争中、ベトナムの人たちに「悪魔の島」と呼ばれていると噂されたが、高江、辺野古に基地ができてしまえば「、悪魔の島」「加害の島」の島に、本当になってしまう。

ベトナムでは当時、カメラマンが最前線まで行くことができた。戦争は殺人であり、民間人が殺される、自然がつぶされ、文化財がつぶされる。ただ、自然は戻るが、人の命と文化財は戻らない。米軍は村を包囲してからナパーム弾で爆撃した。機銃掃射の下には、罪もない女性や子どもがたくさんいた。ベトナムでは200万人の民間人が死んだ。米軍は一つひとつ村を破壊して制圧していくが、農民は反発し、結局、戦争に負けた。エリートである指導者は現場へ行かないから、本当のことがわからなかった。

枯葉剤は第4世代に入った今も影響が残っている。ベトナムの病院の統計がある。以下のように、今でも患者数が増えている。

2013年  57576人受診中758人(1.3%)

2014年  63505人受診中1030人(1.6%)

2015年  68790人受診中1651人(2.4%)

 命は大切である。生きているからこそ今、ここで話すこともできるし、世界も回ることもできる。このように話し、石川さんは最後に、「命こそ宝」とまとめた。           

(池)