3・19 高田健講演「子どもに渡す平和のバトン」浜松総がかり行動

2017319日、戦争させない9条壊すな浜松総がかり行動の集会とデモがもたれ、130人が参加した。集会では、東京の総がかり行動の代表、高田健さんが「子どもに渡す平和のバトン」の題で講演し、浜松ママの会が平和の歌を歌った。

集会後、浜松駅まで「戦争させない!」「共謀罪は戦争への道」「森友疑惑徹底究明」「戦争法は今すぐ廃止」などのコールをあげて、歩いた。また、浜松駅まででスピーチと歌で、反戦平和を訴えた。


高田健さんは講演でつぎのように語った。

○安倍政権の動向

今年は憲法施行70周年です。明治維新以来日本の近現代史の148年のほぼ半分であり、1945年はその折り返しです。前半は戦争の時代であり、後半は戦争をしない時代でしたが、安倍首相は3月の自民党大会で「世界のまん中で輝く日本」、「1億総活躍の日本」の未来を切り拓くと発言し、憲法審査会での具体的な議論を呼びかけました。安倍政権のいう戦後レジームからの脱却は戦争する国となることです。

また、安倍政権は戦争法を発動し、南スーダンに自衛隊を送っています。情報を隠蔽し、派兵を正当化し、戦闘を衝突と言い換えて派兵の実績づくりと改憲への布石としています。しかし、憲法第9条はまだあり、戦争法をしばっています。

政府はこの9条を変えようと狙っています。改憲を促進するために緊急事態条項、環境権、自衛隊の明記、参議院の合区解消、首相の解散権の制約、教育の無償化などをあげています。野党の一部を抱き込むために、緊急事態下での国会議員の任期延長などを語っています。共謀罪と戦争法は一体のものであり、共謀罪は戦争する国の体制作りです。安倍首相は任期中に改憲ができないとみるや、自民党の規約を変えて3選ができるようにしました。

世界では今、トランプのように自国第1主義やナショナリズムの台頭が見られます。安倍政権は日米同盟ファーストを掲げ、日米は軍事費を強化してきました。そのため東アジアとの外交はぎくしゃくしています。

2015年安保闘争の教訓

2015年安保闘争、総がかり行動がつくりだした新たな共同行動の地平についてみてみます。

この行動には4つの特徴があります。1つめは総がかり行動を作り同円多心の共同をつくりあげたことです。60年安保以来の共闘です。2つめはその行動をこれまでの反省をふまえ、非暴力の行動としたことです。3つめはそこに市民が登場したことです。総がかりの行動をつくることによって、多くの市民が参加できるような空間をつくることができました。4つめは政党と市民の連携をすすめ、市民連合を作り、それによって野党の共闘をつくりあげたことです。

そのような総がかり行動の活動は、2016年の参議院選挙で野党4党と市民連合による歴史的な共同をつくり、32の選挙区で候補を調整し、11の選挙区で勝利しました。接戦区も7つありました。参議院選挙は全体としては敗北ですが、そこには共同をすすめれば勝利できるという希望を示すものでした。韓国では朴大統領が罷免されましたが、その大衆行動は日本の総がかり行動での組織づくりに学んだといいます。

○全国に、総がかり行動を、市民連合を

東京では市民連合と野党4党の会談がもたれ、政策での共同を実現しました。私たちは傍観者や評論家ではありません。政治を変える主体です。各地で市民連合のような運動ができています。野党の共同がなければ選挙で勝てません。市民連合が政策を提起することが重要です。勝つためには候補者の1本化と政策上の合意が必要です。市民が変える力をもっています。自公や一部マスコミはそれを壊すことに力を傾けています。

現在内閣の支持率は50パーセントを超えています。野党4党合計でも14%弱です。課題は明白です。新潟知事選のように、無党派層や自公の支持層をひきつける力強い勢力になることが求められます。

2014年の衆議院の小選挙区では野党4党が48、自民は222、公明は9です。けれども野党4党の合計では、58あるいは61の選挙区です。4党が共同すれば、3分の2を阻止する、あるいは、過半数割れにできます。それは安倍政権に大きな打撃となります。

国会内外での共同の動きを粘り強くつくりあげ、全国で総がかり行動、市民連合のような運動をつくることが必要です。295の選挙区に市民連合や同様の市民の極(プラットホーム)をつくりましょう。そこでは改憲と戦争法の反対、自衛隊の南スーダンからの撤退、沖縄での基地建設反対、共謀罪反対、個人の尊厳、貧困や格差の是正、東アジアの平和と共生などがテーマとなるでしょう。