空自美保基地への空中給油機の配備、浜松基地への美保からの教育隊の移転に反対の意思表示を求める要請


 2017年6月9日、浜松市と浜松市議会に以下の要請をおこなった。
 浜松市の市民生活課に対しては、この配備が岩国など米軍基地強化、それともなう空自の空中給油機配備によるものであり、東アジアでの戦争準備の一環であることを示し、騒音の増加も問題であり、憲法9条にも反するものであるとし、浜松市長に反対の意思表示を求めた。
 続いて参加者は、もうこれ以上の騒音はいらない、浜松市の平和都市宣言を実現するためには戦争の原因を問い、軍拡に反対の意思を示すべき、浜松市として国の政策に意思表示をおこなうことが地方自治には必要などの意見を出した。
 市民生活課は 自衛隊は災害救助などに役立つ、防衛問題は国の専管事項などと相も変わらない発言に終始した。自治体独自の平和行政と意思表示が求められる。マスコミも新聞社3社、テレビ2社が取材した。


空自美保基地への空中給油機の配備、

浜松基地への美保からの教育隊の移転に反対の意思表示を求める要請書

                            201769

                         要請団体 NO!AWACSの会浜松
                              人権平和・浜松
                             ピースサイクル浜松

2017年5月、防衛省は浜松市に航空自衛隊美保基地(鳥取県)の第41教育飛行隊(T400. 10機、隊員百数十人)を2020年に浜松基地へと移転すると申し入れました。浜松基地ではひと月に2100回ほどの離着陸がありますが、それに600回の離着陸が増加するといいます。

なぜ浜松基地への部隊の移転、基地の再編がすすめられているのでしょうか。

いま米軍は、沖縄にオスプレイを配備し、辺野古・高江での新基地の建設を強行しています。それを支える形で、陸上自衛隊は宮古、石垣、与那国などの島々に部隊の配置をすすめています。

また2017年、米軍は岩国基地(山口県)へとF35Bステルス戦闘機16機を配備し、さらに岩国へと厚木基地の空母艦載機(空母ロナルドレーガンのFA18など)61機の配備を計画しています。岩国基地は東アジアで最大の米軍航空基地へと強化されようとしています。これらの軍用機の飛行を延長させるために、岩国基地にはすでに空中給油機が配備されています。

このような米軍基地の強化にともない、航空自衛隊は小牧基地(愛知県)の空中給油機に加えて、美保基地に新型の空中給油機(KC46A)を2020年から3機配備することにしました。配備する予定の新型の空中給油機は米国で製造中であり、米軍のF35、FA18、オスプレイなどにも給油ができるように設計されています。

美保基地への新型空中給油機の配備にともない、美保基地にある教育飛行隊が押し出されるかたちで浜松基地に移転することになったというわけです。

米軍による東アジアでの戦闘能力の強化がすすめられ、日本の自衛隊は、改定された日米の軍事協力の指針(新ガイドライン)にみられるように、米軍との共同行動をいっそうすすめています。美保基地への空中給油機は日米が共同しての軍事行動に使われます。美保基地は岩国基地の機能を支え、米軍の戦争を共に担う出撃拠点となるわけです。

浜松基地には1998年・99年と空飛ぶ司令塔とよばれる空中警戒管制機(AWACS)が4機配備され、警戒航空隊司令部がおかれました。AWACSの情報から戦争がはじまるといわれるように、浜松基地は戦争の拠点となっています。さらに2008年には、米軍のミサイル防衛計画(MD)に組み込まれ、浜松基地に新型ミサイル(PAC3)が配備されました。米軍による宇宙の軍事化とグローバルな戦争政策に浜松基地も組み込まれてきたのです。

今回の浜松基地への美保からの部隊の移転は、米軍による東アジアでの軍拡とそれを支援する空自の空中給油機の配備にあります。戦争の準備が着々とすすんでいるわけです。

わたしたちは、このような戦争の準備、基地の強化に反対します。

美保基地への空中給油機の配備計画は今すぐ撤回すべきです。

浜松基地周辺の市街地化はすすみ、これ以上の騒音の増加は、市民の生活権を侵害するものになります。基地機能の拡張ではなくその縮小にむけて政策がなされるべきでしょう。

そもそも、日本国憲法第9条には、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない、国の交戦権はこれを認めないとしています。空中給油機やAWACSの撤去だけでなく、自衛隊自体も軍事的組織から災害救援組織に改編すべです。

わたしたちは、憲法第9条の理念をふまえ、東アジアの軍事によらない平和を求め、沖縄・岩国での基地の強化や美保基地への空中給油機の配備などの軍拡に反対し、美保基地から浜松基地への教育隊の移転に反対します。

以上の趣旨により、以下を要請します。

浜松市長、浜松市議会は、空自美保基地への空中給油機の配備と浜松基地への美保からの教育隊の移転に、反対の意思を表示すること。