2018・6 沖縄報告

朝、9時県庁前発、島ぐるみ会議の仕立ててくれたバスに乗り、10時半頃キャンプ・シュワブゲート前に着いた。ゲート前では相変わらず座り込みと機動隊によるゴボウ抜きが続いている。火曜日は集まる人数は少し少ない。今日は30人程度である。国頭や本部等他の場所でトラックを止める行動も続けられている。

「県民投票」が始まった。問題は多々あるが、失敗するわけにはいかない。一番の心配は翁長知事の「埋立承認撤回」に影響するのではないかということだった。県民投票よりも一刻も早く承認撤回を知事にして欲しいというのが、シュワブ前に集まっている人達の気持ちである。県民投票は11月の知事選の後に行われる予定。

沖縄防衛局は海域の一部を埋め立てる土砂を817日から投入する方針を決め、612日、沖縄県に通知した。防衛局が提出した通知書は、県赤土等流出防止条例に基づくもので、工事内容や工期が記載されており、529日に通知に向けた資料を県に提出し、県が資料のチェックを終えた。
 県はこの通知書の審査に入る考えで「審査では必要に応じて立ち入り調査をした上で、専門家の意見を聞き、必要ならば改善の協議を求める」と述べた。県は濁水の流出防止の対策が適切かなどを調べる。条例では、県が
45日以内に審査し、計画変更を命じることはできるが、強制的に工事を止める規定はない。

工事は水深の浅い辺野古側から進められており、一部の囲い込みが7月中に完成する。そして、土砂の投入がいよいよ始まる。今回投入が予定されているのは、K-4N-3N-5護岸で囲まれた比較的狭い場所である。護岸は波を考えると、水面から8m以上の高さが必要であるが、今は1m程しかない。また、護岸を造るときに防砂用のシートを壁の内部に入れるのがつねであるが、設計変更により入っていない。汚濁対策は全くできていないまま土砂が投入されようとしている。埋め立て用の土砂は国頭と本部から船で運んでくるが、搬入できるのはK-9護岸しかなく、狭すぎるため違法である。それを承知の上でトラックで搬入する可能性が大きい。

この工事を止める手段は、翁長知事の埋立承認撤回が残されるのみの状況になった。県は@環境保全の不備A埋め立て設計変更の必要性B埋め立て承認の条件となった留意事項の違反等を法的根拠とする撤回に向け、環境や法律の専門家と協議を進めている。ただ、撤回には国の意見を聞く聴聞等の所定の手続きが必要になる。土砂を一粒も投入させないためには、7月中に撤回を表明する必要がある。

これに対し、キャンプ・シュワブ前で抗議する人達は「(埋立は)県民の諦めを狙った傲慢なやり方だ」「新基地建設を止めるまで最後まで闘う」「県も毅然とした態度で、承認撤回に臨んで欲しい」と語っていた。

「オール沖縄会議」は620日臨時幹事会を開き、「土砂投入を許すな 県民大会」を811日午前11時から奥武山公園陸上競技場で開くことを決めた。3万人を超す人の参加をめざす。また、77日正午からキャンプ・シュワブゲート前で「ジュゴン・サンゴを守れ!土砂投入を許すな!辺野古新基地建設断念を求める県民集会」を開くことも確認した。毎月第一土曜日に、ゲート前で行っている県民大行動の規模を拡大するもので、2千人の参加をめざす。可能な方はご参加を!

嘉手納基地所属のF15戦闘機が611日午前625分頃、本島南の海上に墜落した。それを受け、一時停止していた同型機の飛行訓練を13日から再開することを米軍は発表した。事故原因の究明や安全確認のできないままの再開であり、基地周辺の自治体や議会、県は日米両政府への反発を強めている。

ドイツでは空域演習にはドイツ側の承認が必要とボン補足協定に明記されている。野外演習区域や射撃場の使用もドイツ側の許可が必要で、施設外演習は国防大臣の同意を得なければならない。イタリアでも米軍の訓練はイタリア軍司令官への事前通告やイタリア側による承認などが取り決められている。両国とも自国の法律や規則を米軍に適用し、自国の主権を確立しているのである。両国に比べ、日本の「属国」ぶりに驚く。

99日の名護市議選、11月の知事選と重要な選挙が控えているが、その前に「土砂投入」という新基地建設阻止にとって、大きな節目を迎えようとしている。これは選挙前に県民を諦めさせようとする魂胆が丸見えの行為である。県民大行動、県民大会を通して大きな抵抗運動を起こすと共に、ゲート前で日々頑張っている人達に合流しよう。                                (池)