11・28 天皇の静岡県訪問抗議行動
2018年11月28日、天皇が浜松にきた。市民が抗議行動をおこなった。
浜松駅頭は天皇が通る現場ですから、物々しい警戒ぶり。北口の正面通路の両側にはそれぞれ三角コーンで交通規制をした制服の警官が10人以上ずつ陣取り、公安警察がその後ろを遠巻きに陣取る、といった様子。
「お巡りさん、こんな奴らは厳しく取り締まってください。失礼にもほどがある」という人、私はこんな人々たちとは関係ありませんよと言わんばかりに大きく手を振ってビラを拒否する人、「天皇に反対してるぞ、スゲー!」と感心する人、税金の無駄づかいを訴えると「そうだよなあ!」と頷く人など反応は様々でした。
熱心に話しかけてきた高校生がいましたが、彼は現実政治のほかにあるべき社会の姿を示してくれる存在がいても良いのではないか、というようなことを言っていました。なぜ彼がそういう風に考えるようになったかと聞いてみたら、「内田樹の影響かな?」とのこと。天皇制バンザイのリベラルの影響のよう。
天皇制は黄門さまの印籠のようなもの。「この方をどなたと心得る!」と示されて「へっ、へ〜い!」と皆がひれ伏せば、魔法はかかりますが、一人でも「王さまは裸だ!」と叫ぶ者がいれば、魔法はとけます。
以下はチラシから。
天皇の静岡県訪問に反対します!
2018年11月27日と28日、天皇夫妻が静岡県を訪問します。「私的旅行」ということで、ねむの木学園(掛川市)や外国人学習支援センター(浜松市)などを視察する予定ですが、メインは今年建立100年を迎えるという袋井市出身の医者浅羽佐喜太郎の公碑と近藤記念館での彼の特別展示の見学です。
佐喜太郎はベトナムの独立運動指導者ファン・ボイ・チャウと交流のあった人といわれています。天皇は一昨年フィリピン、昨年ベトナムと安倍政権の中国包囲網作りに沿った天皇外交を展開していますが、今回の袋井での「ベトナム交流」訪問は明らかにその一環といえるでしょう。「私的行為」という触れ込みに隠された天皇の「政治行為」を見逃してはなりません。
戦前の天皇制国家の侵略によって、ベトナムは200万人の餓死者を出しています。戦後賠償も南ベトナムの傀儡政権に支払われ、アメリカのベトナム侵略のためにつかわれたのでした。このような事実を認めることなくしてベトナムとの真の友好はありえません。
天皇は高齢だから「生前退位」したいなどと言いながら、このような「政治行為」を続けています。「生前退位」とは天皇の健康問題などではなく、天皇家が上皇家・天皇家・皇嗣家のトロイカ体制によって憲法の枠を越え、切れ目なく、遅滞なく、縦横に国民統合(人心収攬)をおこなってゆくための天皇制再編・強化であり、安倍政権の「天皇を戴く」戦争国家にとって欠かせないものです。このような代替わりに反対します!
わたしたちは憲法違反の「私的行為」、税金の無駄づかいや人権抑圧、天皇の元首化、天皇制戦争国家とその教育等々について批判し、天皇の静岡県訪問に反対します。
民主主義に天皇はいらない! 主権者はわたしたちです!
憲法違反の「私的行為」
戦前の天皇制国家への深甚な反省から、憲法には天皇の行為が「国事行為」として厳正に定められています。天皇の「私的行為」などというものはありません。単なるプライベートなら、SPを2、3人連れてお忍びで出かければよいことです。あらかじめ宣告して厳戒体制のもと行うものが「私的行為」であるはずがありません。憲法違反の「私的行為」に反対します。
税金の無駄づかいや人権抑圧
憲法違反の「公的行為」や「私的行為」はヒロヒトの時代よりもアキヒトの時代になって一層増えました。そこには私たちの莫大な税金が使われています。天皇が動くと過剰な警備体制が敷かれ(これまた莫大な税金の支出)、障害者やホームレスへの人権抑圧も行われます。私たちはこれら税金の無駄づかいや人権抑圧に反対します。
天皇制元首化
昨年8月8日の天皇自身による「生前退位」の意向表明は、天皇の政治行為を禁じた憲法第4条に抵触する明らかな違憲行為です。ところが国民や政治家・マスコミを挙げてこの件に関する天皇翼賛体制ともいうべき状況が生まれています。天皇自らが積極的に国民に政治的に働きかけるアキヒト象徴天皇制のあり方こそ、元首天皇制の姿なのではないでしょうか? 私たちは天皇元首化に反対します。
天皇制戦争国家・教育
安倍政権は、「天皇をいたいただく国家」(自民党改憲草案・前文)を目指しながら日本の戦争国家化を推し進めています。日の丸・君が代の強制や森友学園の「勅語」教育にみられるように天皇制教育は既に始まっています。私たちは、天皇制戦争国家やその教育に反対します。