11・6強制動員被害者遺骨問題解決のための国際シンポジウム

2018年11月6日、韓国のソウルで、強制動員被害者遺骨問題解決のための国際シンポジウムがもたれた。このシンポジウムは東北アジア歴史財団、民族和解協力汎国民協議会、民族問題研究所などが共同して主催し、100人ほどが参加した。主催の趣旨は、海外に残された強制動員被害者の遺骨は植民地被害の継続を象徴するものであり、動員の歴史的事実を解明するとともに遺骨の奉還をすすめ、その世論を喚起するというものだった。

シンポジウムでは遺骨問題の歴史的経緯と現状、解決に向けての活動と課題の順に報告がなされ、討論がなされた。報告は以下の順である。

南相九「日帝強制動員朝鮮人遺骨問題の歴史的経緯と現況」、趙時顕「遺骨問題に対する国際人道法と国際人権法」、原田章弘「強制連行被害と遺骨調査」、岩淵宣輝「日本政府の海外激戦地の遺骨調査」、竹内康人「日本での強制動員・遺骨調査の現況」、殿平善彦「北海道の遺骨調査と奉還」、具志堅隆松「沖縄の遺骨調査」、小畑太作「長生炭鉱水没事故犠牲者遺骨問題」、上田慶司「日本政府との交渉」。

シンポジウムは、朝鮮人が戦時にどのように動員され、遺骨が残るようになったのか、国際法からみて遺骨はどのように扱われるべきなのか、海外での遺骨調査の状態はどのようなものか、日本での強制動員と遺骨の調査はどのようになされてきたのか、北海道での調査と奉還はどのようにおこなわれたのか、沖縄や長生炭鉱での遺骨をめぐる取り組みはどのようなものか、韓国の市民団体と日本政府との遺骨をめぐる交渉の状況はどのような状態か、今後の課題は何か、このような問題意識ですすんだ。

1030日、韓国大法院は強制動員日鉄訴訟で原告の請求を認める画期的な判決を出した。このシンポジウムはそのなかでもたれ、マスコミも大きく報道した。

朝鮮人遺骨の放置状況は、植民地主義の未清算を示している。日韓の市民団体の共同とともに、日韓両政府の遺骨をめぐる議論が再開され、真相究明と遺骨の故郷への帰還がすすむことを願う。「遺骨を遺族のもとへ」が原則である。(T)