7・13 白川真澄講演「アベノミクス・規制緩和・水民営化」



 2019年7月13日、浜松市内でピープルズプラン研究所の白川真澄さんを講師に「アベノミクス、規制緩和、水民営化」を題に、講演会をもった。
 白川さんははじめに、安倍政権の経済政策の成果とし、雇用改善、株価上昇、企業利益最高、GDP増があげられているが、なぜ、景気の回復が実感されないのかとし、賃金のあがり方が鈍いこと、非正規や女性・高齢者の雇用が増えたこと、可処分所得が増えないこと、そのため個人消費は停滞していると話した。
 また、金融・財政について触れ、「異次元の規制緩和」でマネー供給量を366兆円も増やしたが、銀行の貸し出しは伸びてはいないこと、財政出動は増加し、政府の債務残高は2013年から18年にかけて175兆円も増加したことなど財政の悪化を示した。
 続いて、規制緩和の問題点を話し、雇用、医療、農業などでの規制緩和の例を示し、国家戦略特区がその突破口とされた経過を示した。TPPはそのテコとされている。そのなかで、法人税は大幅に引き下げられた。また、働き方改革の名で女性や高齢者の動員や外国人の導入などがすすめられてきたとした。
 最後に、公共的分野への営利企業の進出の動きについて話した。2018年に水道法、漁業法が改正され、種子法が廃止され、水道での民営化が狙われている。しかし、コスト削減と安全性などのサービスの質の向上とは両立しないことがあるとし、現在では、公共のものは住民・市民の手に取り戻し、参加型で運営する動きが盛んであることを紹介した。
 講演後、公共分野での民営化の問題、市民の無関心と若い層の自民支持、森と海の保全、法人税軽減の仕組み、労働の尊厳など、活発な意見交換がなされた。 (T)