1・13命の水を守る全国のつどい・浜松


 2019年1月13日、浜松で命の水を守る全国のつどいがもたれ、600人の会場が満席になった。
 集会に先立って、浜松駅前から会場までデモが200人ほどでもたれた。参加者はラップのコールにあわせ、命の水を守ろう!浜松の水道民営化反対を訴えた。




 集会では、パネルディスカッションがもたれた。
 最初に弁護士の尾林芳匡さんが、水道法での清浄で豊富低廉な水の供給の理念を示し、水道の民営化は水道事業の課題の改善にはならず、営利本位となる危険性を示した。また、PFI事業導入の経緯を示し、自治体と大企業の癒着の危険性などの問題点をあげ、愛知県西尾市での抵抗の事例などを紹介した。
 続いて、アジア太平洋資料センターの内田聖子さんが、1980年代からの世界での水道民営化で、投資家や企業側が手厚く保護されてきたことを示し、問題が起きて、民営化を解約する際には多額の賠償金を水企業が請求してきた事例をあげた。また、民営化では企業の投資が期待どうりにおこなわれなかったこと、水道料金の値上げや水質・サービスの悪化、財務情報の非公開などの問題が起きたことを示した。
 水ジャーナリストの橋本淳司さんは、民営化を止めるだけでなく、自治による水への関わりの重要性をあげ、過剰設備の縮小、小規模水源の活用、緩速濾過の重要性、人材の育成、水循環、住民参加などの視点での、水道事業の再生を呼びかけた。水循環の視点での総合的水行政を担う人材育成が大切だが、民営化は人材の育成とはならないのである。

 


 このあと、宮城、兵庫、大阪、和歌山、長野、愛知、三島、静岡などの市民が命の水を守る活動や、コンセッションに反対する運動について語った。東京のピープルパワーTVのラップ、ジョニーさんの歌なども披露された。
 また、浜松からは、水道ネットの活動経過の報告、自作の歌の紹介、情報公開でのコンセッションありきの報告書作成の実態などが示された。さらに2人の浜松の市会議員が水道民営化を批判するアピールをした。
 その後、パネラーが今後の水道民営化を止め、水道への自治の強化をよびかけた。そして、市長・市議会あての集会アピールを採択した。
最後に、パネラー、全国からの参加者、実行委員が壇上に集い、命の水を守ろう!水の民営今すぐ止めようと訴えた。
 集会後には全国交流会がもたれ、スピーチと歌で盛り上った。



水道法改悪後の最初の全国集会であり、各地から多くの市民が結集し、水道民営化を阻止する意思を示した。また、浜松の事例を分析し、水メジャー、外資系コンサル、官邸主導の水道民営化(コンセッション)の問題点を明らかにすることができた。さらに多くの人々に問題点を伝え、広範な結集をつくっていくことが求められる。        (T)

ピープルパワーTV 1  2

パネルディスカッション映像


集会発言 集会基調  集会パネル討論