2020年春 沖縄の旅

 今回はキャンプシュワブのゲート前、塩川港、安和桟橋、高江を回った。225日から29日までは集中行動日が設定されており、市民の参加も多かった。シュワブゲート前では歩道の幅を以前より狭く区切ってあり、市民は横に一列で座るのがやっとである。相変わらずの“ゴボウ抜き”であったが、機動隊は以前と比べると大変ソフトになっていた。塩川港では、午前中に一台のトラックも入れなかったため、普段は400台くらい入るトラックが、この日は61台であった。「普段は女性3人だけで頑張っているが、全国から多くの仲間がきてくれて心強かった」と語っていた。塩川港と安和桟橋は入ってくるトラック、出ていくトラックの前を横切り、トラックの進行を止める戦法である。朝の7時から晩の5時過ぎまで昼休み1時間を除いてトラックはひっきりなしに来る。休憩を取りながらの行動であったが、大変疲れた。高江は帝国警備のガードマンが10人程横一列に並び、入り口の警備をしていた。工事を止めようとしている人達のテントが一張りあったが、人はおらず、何のための警備か、税金の無駄遣いである。

 辺野古の米軍新基地建設で軟弱地盤が「B27」地点で90mに達していることについて、専門家チーム「沖縄辺野古調査団」(代表・立石雅昭新潟大名誉教授)は、沖縄防衛局が設置している有識者らで構成される「技術検討会」に「科学的・技術的に厳正審査して欲しい」と申し入れた。防衛省は70mより下は地盤工学会の基準に照らせばN15以上の「非常に硬い」と説明しているが、実際のN値は10以下しかない「柔らかい」「中位」に分類される。防衛省は「B27」地点の強度を求める調査をしたにもかかわらず、設計に反映させず、技術検討会に示していないことや、別の地点で地盤が弱いことを示す一部データを不採用にした。調査団はこのようなことを問題視し、質問書で追求した。対応した嘉手納町の沖縄防衛局西村拓局次長は「これから内容を確認し対応していく」と述べるにとどめ、技術検討会に質問書を渡すかどうか明言しなかった。

 石垣市議会は32日、3月定例会本会議で、石垣市平得大俣の陸上自衛隊配備計画に伴う沖縄防衛局への市有地売却議案を賛成11人、反対9人、退席1人の賛成多数で可決した。市有地は賃貸も含めた約23fで、配備予定地約46fの半分を占める大きさ。防衛省は射撃場の整備などを予定している。沖縄防衛局は先行取得した民有地から工事を始めており、今回の可決で陸自配備計画は大きく前進する。野党で配備予定地周辺が地盤の花谷史郎市議は、「住民投票もせずに、環境影響調査もされず、生活環境を奪われる中でどうやって生活していけばいいのか」、配備予定地に近い川原公民館館長の具志堅正さんは「売られてしまった。住民の心も売られてしまった」と語った。議案を提出した中山義隆市長に対して「こんな市長は必要ない。一度も地域住民と交わって話したことすらもない」と不信感をあらわにした住民もいた。

 67日は沖縄県議選である。定数48に対し68人の立候補が予定されている。現在の与党多数の勢力構成が、変わるかどうかが焦点である。野党の中では「21令和の会」が新たに発足し、野党系議員の過半数獲得をめざす。自民や公明、元維新の勢力との間に主導権争いの摩擦が生じる可能性がある。他方、与党の側は国政最大野党の立憲民主が県議選で議席獲得をめざしており「オール沖縄」との関係が微妙である。いずれにしても県議選の結果は玉城県政に大きく影響する。私たちは本土から見守ることしかできないが、玉城県政を後押しできる結果になることを祈るばかりである。

 229日、夕方530分からゲート前で渡具知さん一家が行っているキャンドルサービスに参加した。渡具知さん一家はもう20年数年間毎週土曜日に行動されている。個人ができることを息長く、諦めず、静かに行動している姿に感動する。沖縄に学ぶことは多い。                           (池)