ピースサイクル、浜松市と浜松基地に要請

2020年7月21日、ピースサイクル浜松は浜松市と浜松基地に以下の要請をおこなった。
浜松市に対しては、平和行政の確立をよびかけ、市として浜岡原発や浜松基地に反対する姿勢を持つことを求めた。浜松基地に対しては、防衛力強化ではなく、防災。貿易の強化が求められる時代であることを示し、軍縮を呼びかけた。





                                 2020年7月21日

浜松市長  様 

                                     ◎ ピースサイクル浜松

                                        ◎NO!AWACSの会浜松

               平和行政の確立を求める要請書

 

私たちピースサイクル全国ネットワークは、自転車で全国の人とつながり、反戦・反核、平和、人権、環境保護を訴えている平和運動です。平和や脱原発の想いなどを市民や市民団体、自治体等からピースメッセージとしてお預かりし、到着地のヒロシマ、ナガサキへ届けています。そのために、地域での交流会や自治体訪問などを重ね、原発や基地等への申し入れ行動も行っています。

 ピースサイクルは、浜松市に対し毎年「要請書」を提出してきました。その要請での「中部電力浜岡原子力発電所の全機廃炉を要請すること」、「航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請すること」、「AWACSとPAC3の廃棄を市民とともに訴えること」に対する市の回答は、「国の責任において」というものです。このような回答は、市民の平和と安全に向けての地方自治の責任を回避するものです。原発や軍事基地に対して、浜松市は平和都市宣言の趣旨にのっとり、積極的に提言すべきです。

 浜岡原発で事故が起きれば、浜松市民にも住民の避難・地域経済の損失など多大な被害がおきます。浜松基地では、過去に自衛隊機が基地周辺の住宅地に墜落するという事故が起きました。今後も事故が起きる危険があります。空飛ぶ司令塔としてAWACSは戦闘を指揮し、浜松基地は戦時の攻撃の拠点となります。逆に浜松基地が攻撃を受ければ、基地周辺住民に甚大な被害が及ぶことになります。

2015年の日米防衛協力指針の改定と安保法(戦争法)の制定により、自衛隊はグローバルに展開し、米軍と共同し、海外で戦争をおこなえるようになりました。それにより、自衛隊の訓練も強化され、米軍基地の強化がすすみ、美保基地へは空中給油機の配備がすすみ、それにより美保の教育飛行隊の浜松への移転がすすめられています。美保飛行教育隊の浜松基地への移転は一年延期になりましたが、移転されれば、騒音などにより生活環境は悪化し、事故の危険性も増加します。

政府のいうことを鵜呑みにしていたら、市民の安全は守れないのです。浜松市は過去の戦争体験から、平和都市宣言をしています。浜松基地の強化は、日本国憲法第9条と浜松市の平和都市宣言の精神に反するものです。浜松市長は、平和行政を進める自治体と連携し、市民のための平和行政を積極的に推進すべきです。

わたしたちは、憲法第9条の理念をふまえて東アジアの軍事によらない平和を求めるとともに、浜松をふたたび戦争と派兵の拠点としてはならないと考えます。

    記

1 浜松市長は、平和都市宣言の趣旨にのっとり、平和行政・平和教育をすすめること

2 浜松市長は、中部電力浜岡原子力発電所の全機廃炉を要請すること

3 浜松市長は、航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請すること

4 浜松市長は、AWACSとPAC3の廃棄を市民とともに訴えること

5 浜松市長は、美保飛行教育隊の浜松基地への移転容認を撤回すること

6 浜松市長は、浜松空襲死亡者の氏名を刻んだ追悼碑を建てること

 

                                                             2020年7月21日

日本国首相様

防衛大臣様    

浜松基地司令様                              ◎ピースサイクル浜松

                                       ◎NO!AWACSの会浜松

              要   請   書                         

 ピースサイクルは、戦争と核のない平和な世界を願って、全国各地から平和を訴え、その願いを自転車で伝える平和運動です。毎年6月から8月にかけ沖縄をスタートし、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキに向けて、自転車で全国の人とつながり、反戦・反核、平和、人権、環境保護をアピールしています。

日本政府は最新鋭ステルス戦闘機F35を計147機、米国から導入する予定です。そのうち42機は空母用です。しかし、F35には数多くの欠点が指摘されています。導入関連費用は2兆円を超えるものになります。この導入は中止すべきです。政府はイージス・アショアの断念を決めました。性能への疑問が浮上していたにもかかわらず、配備計画を強行しましたが、やっと中止することにしました。しかし、既に米国に支出した196億円は、戻ってきません。続いて、沖縄での新基地建設やミサイル部隊配備も中止すべきです。

政府はイージス・アショアの断念を示すと参院外交防衛委員会で、敵基地攻撃能力の保有を検討する必要性を強調しました。しかし、敵基地攻撃は先制攻撃であり、憲法第9条違反です。このような議論はやめるべきです。

2015年の日米防衛協力指針の改定と安保法(戦争法)の制定により、自衛隊はグローバルに展開し、米軍と共同し、海外で戦争をおこなえるようになりました。浜松基地配備のAWACSは空飛ぶ司令塔として戦闘を指揮する能力があり、浜松基地は攻撃の拠点となっています。最近、米軍の爆撃機を日本の戦闘機が防衛する訓練が増加しています。米軍爆撃機との共同訓練は先制攻撃の訓練です。AWACSはこの攻撃の司令塔にもなります。このような訓練は今すぐ中止すべきです。

また空自美保基地への空中給油機の配備が計画され、それにより美保の教育飛行隊の浜松への移転がすすめられています。美保飛行教育隊の浜松基地への移転は一年延期になりましたが、移転されれば、騒音などにより生活環境は悪化し、事故の危険性も増加します。過去に自衛隊機が基地周辺の住宅地に墜落するという事故が起きました。この移転計画も中止すべきです。

 わたしたちは平和を願うものとして、浜松が再び戦争と派兵の拠点としてはならないと考えます。近年の地震や洪水、新型コロナ感染などの動きをみれば、必要なことは、軍備の拡大による防衛力増強ではなく、防災、防疫の強化が求められています。軍事によらない安全保障が求められているのです。浜松はそのような人間の安全保障のための平和の拠点となっていくべきと考えます。

よって、以下の要請をします。

                記

1  浜松基地の縮小・撤去をすすめること

2  AWACS、PAC3を撤去すること

3 浜松基地への美保からの教育隊の移転を中止すること

4 夜間飛行を中止すること