浜ネット総会と上岡(環境経済研究所代表)さんの講演報告
2021年4月24日、静岡労政会館で、浜ネット(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)の総会と「浜岡原発とめます本訴の会」の活動報告につづいて、上岡直見(環境経済研究所代表)さんの講演が開催された。
Ø 「浜ネット総会」と「浜岡原発とめます本訴の会の活動報告」
浜ネットの2021年度活動方針は、具体的に①浜岡原発再稼働阻止、②静岡県及び立地4市(御前崎・牧之原・掛川・菊川)等への働きかけを強化する、③中部電力との交渉継続、④独自活動の展開(情勢に応じたスタンディング行動・街頭宣伝等実施)、⑤法廷での闘い(本訴の会・県内他の原発訴訟)、⑥「福島事故を風化させない」ための活動と被害者支援活動、⑦県内の仲間との交流・連携行動~「浜岡原発の再稼働を許さない静岡県ネットワーク(県ネット)」と「UPZ市民団体交流会」への参加と連携強化、⑧「再稼働阻止全国ネットワーク」との連携の8項目が提案され、満場一致で承認された。
また、「浜岡原発とめます本訴の会」の活動報告では、浜岡原発運転差し止め訴訟は19年が経過しているが、2020年4月29日に浜ネットの総会で本訴の会の活動報告をして以降、昨年は5月28日、9月1日、今年は4月21日の計3回の進行協議のみで、裁判の進展は漂流状態が続いている。ただ、全国各地の裁判闘争では昨年12月の大阪地裁の判決では、地震のばらつきを無視した規制基準を否定し、規制委員会そのものを真正面から批判した画期的な判決が出され、国が提唱している「世界で最も厳しい基準」が崩壊した。また、水戸地裁の判決では、避難計画の杜撰(ずさん)さを指摘した判決が出ている。
この大阪地裁と水戸地裁の二つの判決は、浜岡原発にも当てはまるものであることから、浜岡原発運転差し止め訴訟も浜ネットの活動方針と連携して、東京高裁を包囲するように裁判支援を強化することが確認された。
Ø 上岡(環境経済研究所代表)さんの講演報告
ひきつづき行なわれた記念講演は、上岡直見(環境経済研究所代表)さんが「浜岡原発に緊急事態が起きたら・・・」のテーマで話してもらい、用意した50部の資料が足りなくなる盛況であった。講演内容は、①浜岡原発周辺の概況(30キロ圏内の住民は83万人)、②福島ではどうだったか、③現実の避難の困難性、④予想される被害の全容、⑤リニアとエネルギー問題の順番で、各種のデータをプロジェクターを使って話した。上岡さんは、自らの著書でも主張しているように、交通工学的シミュレーションの見地から、被曝を避ける住民避難は不可能だと言明していることやリニアとエネルギー問題などを、分かり易く説明してくれ、参加者からは質問や意見が活発に出された良い講演だった。 (M)
中部電力株式会社 社長 林 欣吾 様
2021年5月14日
浜岡原発を考える静岡ネットワーク
代表 鈴木卓馬
浜岡原発の永久停止・廃炉を求める要請書
2011年5月14日は中部電力浜岡原子力発電所全基が停止した日です。ときの菅直人首相の要請により全国の原発の中で最初の停止でした。今年で10年が経ちました。
私たち「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」は本年4月24日 2021年度総会を開催したところです。本年度も貴社に対し浜岡原発の永久停止・廃炉を要請することを確認致しました。
世界の国々のエネルギー政策は、再生可能エネルギーへの転換を積極的にすすめています。流れは「原発ゼロ」社会の実現です。
巨額の投資を必要とする原発の経済性の問題や放射能汚染と原発事故による被曝、さらに解決が難しい「核のゴミ」問題等原発の諸課題について貴社内においても議論を尽くしていることと存じます。
私たち浜ネットは、貴社が浜岡原発の再稼働を辞め、原発廃炉による発電方針の転換を求め続けます。
尚、再三の面談の要請をご検討いただき、私共との面談のうえ回答することを要請します。
5月末日までにご連絡を下さい。
浜岡原発を考える静岡ネットワーク