5・25安田奈津紀静岡講演「紛争地、被災地に生きる人びとの声」

 2024年5月25日、静岡市内で安田奈津紀さんの講演会がもたれ、70人ほどが参加した。主催は戦争させない1000人委員会・静岡。安田さんは写真を紹介しながら、次のように話した。

 軍拡の動きに、子どもの手足が戦争で奪われていく現状に、歯止めをかけたい。写真を通じて何ができるかを考えたいと思います。
 2018年にガザに行き、学校で子ども達に会いました。子ども達が凧を作り、踊りを発表しました。14歳のシャヘードさんは日本からの支援に励まされてきたと話しましたが、彼女の安否も不明です。イスラエルの攻撃のなかで3万人が亡くなり、1万人ががれきの中にいるといいます。
 シリアでは砲弾の破裂で兄を失い、右足を切断した8歳のサラさんに会いました。サラさんは「子どもは何も悪いことをしていない.戦争をやめてほしい.大きな人たちに伝えてほしい」とは語りました。成長のために切断した足の骨が伸び、そのたびに手術が必要な状態です。かの女の中では戦争は続いているのです。
 ニュースではひとり一人の名が、存在が、数字に置き換えられてしまいます。イスラエルは核の使用で威嚇もしています。いまも命が奪われ、手足が奪われ、日常が奪われるという状態が続いています。
 このような状態をなぜ許してしまっているのでしょうか。この事態に沈黙と黙認を続ける日本政府を批判すべきです。権力から不都合とみられることは、ジャーナリストとして当然でしょう。忖度せずに発言を続けていきたいです。諦めてはならない、取材して知るとともに、人びとに知らせていきたいと思います。いま舵を切り直す岐路にあると思います。(t)