10・12静岡・沖縄連帯行動

2024年10月12日、静岡市で「静岡・沖縄を語る会」主催の沖縄行動(デモと集会)が取り組まれた。デモは歩行者天国で賑わう静岡市の中心部を、辺野古新基地建設反対! 米兵による性暴力と日本政府の隠蔽を許さない!南西諸島での自衛隊基地増強反対!訴えながら歩いた。   

 
 デモ終了後、沖縄より北上田毅さんを迎えて集会が開かれた。北上田さんは土木技術者の立場から辺野古新基地建設の問題点を告発、発信し続けてきた。この8月から日本政府が始めた大浦湾側のくい打ちは難航し、計画より大幅に遅れると予想される。そのマヨネーズとも例えられる軟弱な地盤、埋め立て土砂の問題、今年6月に起きた安和桟橋出口部での交通死亡事故などについて、資料を用いての詳しい報告があった。以下、講演を要約。

1)難航し、大幅に遅れる大浦湾の工事。

沖縄県の行政指導を無視して国は大浦湾埋め立てを強行したが、最深部(B27地点。-90m)のボーリング調査は行わず、離れた3地点の調査結果からB27の強度を類推していた。しかし地盤の軟弱さが心配されるB27のボーリング試験をやらざるを得なくなった。その結果、設計の見直しは必至。再度の設計変更申請、さらには事業が頓挫する可能性もある。

2)埋め立て土砂の問題。

防衛局は当初埋め立て用の土砂を沖縄島南部地区から持ってくる計画だったが、南部は沖縄戦の激戦地。遺骨混じりの土砂使用に県民の強い反発が出たため断念、奄美大島からの土砂調達に切り替えた。しかし県外からの土砂搬入は特定外来生物調査が必要。2016年の那覇空港滑走路増設事業の際にも奄美大島から石材の搬入があり、県職員が立ち入り調査をした結果、ハイイロゴケグモ、オオキンケイギク等の特定外来生物が確認されている。今回の大浦湾埋め立て用の石材は「土砂」であり、洗浄は不可能。国は「高熱処理で土砂中の外来生物は死ぬ」としているが、これは物理的にも費用的にも不可能。さらに、搬入元の奄美大島の採石場では土砂崩れ、粉塵、海の汚濁が深刻な状況になっている。奄美~沖縄の市民の連帯が必要だ。

3)安和桟橋事故。

 今年6月に起きた安和桟橋出口の事故では、工事のダンプに轢かれて警備員1名が死亡、市民1名が瀕死の重傷を負った。防衛局は事故責任を一方的に県に押し付け、一部週刊誌やネット上では反対運動への凄まじい誹謗中傷・攻撃が飛び交った。事故後は現場の歩道部を警備員が封鎖してダンプを通らせる事態になっている。しかし、事故当時の状況は防衛局の主張とは異なる。事故は「車道」ではなく歩道の「車両乗入部」(歩行者優先)で起きたものであり、ダンプ運転手が安全確認を怠り急発進したのが直接の原因。その根本原因は工事を急がせた防衛局にある。この安和桟橋前の国道では土砂搬送が始まった2018年以来ダンプによる交通事故が頻発しているが、その背景にはこのような防衛局の姿勢がある。

 北上田さんは次のように話して講演を締め括った。「抗議行動の現場は広がっている。海上行動、工事用新ゲート、本部塩川港、そして安和桟橋。辺野古浜での座り込みは20年になる。まだ止められる!現地への結集を!」。

 辺野古基地建設、米兵の性暴力事件と日本政府の隠ぺい、南西諸島への自衛隊基地増強。こんな事態を許してしまっている私たちの姿勢、行動が問われている。「沖縄を踏みにじるな!」の声をもっと大きくしていかなくては!              (I)