11・9 Stop!辺野古埋立キャンペーン10周年記念集会・東京
2024年11月9日、Stop!辺野古埋立キャンペーン10周年記念の集会がもたれ、60人ほどが参加した。集会の第1部は戦争加担企業の責任追及のシンポジウムであり、第2部は加藤宣子著『〈会社〉と基地建設をめぐる旅』の出版の会であった。
第1部では、加藤宣子さんが2014年にStop!辺野古埋立キャンペーンを立ち上げ、辺野古の基地工事を請け負った大成建設本社前での抗議行動を始めた経過を話した。24年に7月には辺野古埋立関連会社の大成、五洋、東洋、東亜、大林、安藤ハザマ、日本工営に対する一日行動をおこなった。
続いて杉原浩司さんが武器取引反対ネットワーク(NAJAT)の活動を紹介し、兵器産業への抗議行動についてつぎのように話した。
国際航空宇宙展(主催、日本航空宇宙工業会)には抗議行動を展開し、最終日にはイスラエルの軍需企業エルビットシステムズのブースを閉鎖させた。イスラエルのジェノサイド加担企業との取引への抗議もおこなったが、そのなかで伊藤忠アビエーション、日本エアークラフトサプライはエルビットシステムズとの協力覚書を終了させた。三菱重工や川崎重工はミサイル大軍拡によるミサイル開発を請け負い、三菱電機はレーダー開発を行なっている。これに対してはボイコットを呼びかけている。企業に対する抗議行動は軍産学共同体を止めるものであり、軍縮と脱軍事化をめざす具体的な活動である。敵基地攻撃兵器の製造が進められ、弾薬庫や地下司令部の建設も進む。その工事でゼネコンが利益をあげる。政府は経済安保法、軍需産業強化法、経済秘密保護法、統合司令部設置法などを制定し、大軍拡をすすめている。このような方向ではなく、オルタナティブな「良心的軍事拒否国家」を目指し、平和原則を再構築していくことが求められる。
竹内康人は戦時の強制動員での企業の責任と大成建設による強制労働の実態についてつぎのように話した。
2018年、韓国大法院は動員企業への「強制動員慰謝料請求権」が確定したが、日本政府は強制労働を否定、日本製鉄と三菱重工業、不二越は被害者への賠償を拒否し、その責任をとろうとしない。韓国では第2次訴訟があり、今後、動員被害者が勝訴する見込みである。大成建設(当時は日本土木、後に大倉土木)は信濃川支流の中津川での発電工事を請負い、1922年にはその配下の組で虐殺事件が起きた。1930年代には鉄道省の信濃川発電工事を大倉など多くの土建企業が請負い、朝鮮人や中国人の強制労働があった。戦時に大倉土木は各地の発電工事を請負い、朝鮮人労働者も連行した。しかしその責任はとられていない。まず、韓国併合の不法性を認めて植民地支配を反省し、その下での動員の強制性についても認めることが必要であり、関係企業は被害救済基金を作るべきである。企業は人権を尊重する姿勢を持ち、過去の強制労働の清算とともに戦争加担・戦争準備を拒否すべきである。
第2部では加藤宣子さんが『〈会社〉と基地建設をめぐる旅』の内容を解説した。旅は浜松から始まり、旭川、佐世保、岩国、呉、小松、松代と続いた。基地建設とそれを請負った企業についての調査の旅である。また沖縄での現地抗議行動にも参加し、辺野古基地建設をすすめる大成建設などゼネンコン本社前での抗議行動にも参加した。戦後の沖縄基地建設について「米軍の銃剣と日本のツルハシ」といわれたことが調査の契機となったという。基地建設は自然破壊をともなうが、「会社」に属しているからできる。それって「会社」教?と加藤さんは問いかけた。
集会では出版を祝う歌が弾き語られ、最後にStop!辺野古埋立キャンペーンの仲間が今後の闘いを呼びかけた。 (竹)