11・3 照屋剛志浜松講演「沖縄の今」

2024年11月3日、浜松市内で市内の9条の会の主催で平和の集いがもたれ、「戦雲(いくさふむ)」(三上智恵監督)の上映と沖縄タイムスの照屋剛志さんの講演「沖縄の今 終戦から79年 終わらぬ被害 進む軍事化」がもたれた。つどいには170人ほどが参加した。
講演で照屋さんは次のように話した。
   
今日は、1,石破茂内閣と沖縄、2,軍事化が進む沖縄、3,市民の力で陸自施設の建設阻止、4、米兵による少女暴行事件、5,辺野古基地建設の現状の5点について話します。
1 石破茂さんは2013年、自民党幹事長として沖縄の自民党国会議員を辺野古での新基地建設容認に変えさせた人です。この出来事は平成の琉球処分と呼ばれています。民意は辺野古反対であり、7割が反対です。日米地位協定についての沖縄の要望は起訴前の身柄引き渡し、基地内への立ち入り調査、米軍機が起こした事故・事故現場の捜査、差し押さえ、現場検証などですが、石破さんはどこまでこの課題を実現できるのでしょうか。PFAS汚染があっても米軍基地内への立ち入り調査はできないのです。

2 沖縄では台湾有事を念頭に、安保3文書で明記された反撃保有能力により、与那国、石垣、宮古などでミサイル配備がすすめられ、自衛隊基地が増えています。米軍基地は減りません。台湾有事を想定した基地配備と軍事演習が行われ、沖縄はまた戦場になりかねない状況です。日本国民全体が危機感を持つべきです。石垣島をみれば23年に陸自駐屯地ができると石垣港にアメリカの掃海艦や駆逐艦が寄港、陸自のオスプレイが飛来、ロケット砲のハイマースの展開など日米による共同訓練が行なわれています。与那国では沿岸監視隊の設置に加え、さらに電子部隊、ミサイル部隊が配備されるのです。与那国駐屯地には外からの撮影を禁止する看板が貼られました。12式ミサイルは現在は射程が200キロですが、敵基地攻撃ができる1000キロの射程のものを開発しています。島々が日米の軍事同盟の最前線となっています。

3 沖縄本島のうるま市では陸自の訓練場の建設計画が2022年に示されましたが、地元では反対の住民運動が起こされ、1200人を集めた大集会を開催、防衛省に断念させました。自民党県連も反対したのです。

4 女性への米兵による暴行事件が無くなりません。沖縄戦の頃から事件は起きています。9か月の女児や5歳の子どもまで性的暴行を受けていたのです。1995年の少女暴行事件に対しては島ぐるみの抗議行動が起きました。今回の事件の特徴は、米兵による女性暴行事件が無くならないこと、3か月間隠蔽されてきたこと、米軍側の謝罪はないこと、容疑者は保釈され米軍の管理下にあることなどです。上間陽子さんは新聞に「私たちは、女の子が標的になって米兵の獲物にされる島に住んでいる。米兵に暴行された子どもや女性がいても政府はこの島に住む私たちに伝えず、米軍の思うままだ。この国は私たちを守らない。そしてあなたはいまもなお沈黙している。」と記しています。3か月間の隠蔽の間に岸田の訪米、アメリカ大使の与那国訪問、県議会選挙がありました。首相は知っていたのです。県外の事件も非公表の状態です。

5 辺野古での米軍基地建設も進んでいます。沖縄の側は14件の裁判を起こして反対してきました。1件、辺野古での住民訴訟が高裁で差し戻しとなり、地裁で審議されています。

このような現状の紹介の後、参加者から多くの質問が出され、照屋さんは丁寧に回答した。  (文責。人権平和・浜松)