04冬 平和の旅:沖縄

――金曜集会――

 1224日、金曜集会は177回目、10人の参加。歩道に車座になっての集会でした。話題の中心は当然のことながら辺野古に関してのことでした。

 東京から来た山口さんという方がトマリンでボーリング調査反対の署名をとりながらハンストを11日間続けている。中学生が300名分署名を持ってきてくれたり、辺野古へ行けない人が「ここでやってくれてありがたい」と訪ねてくれたり、4000名程の署名が集まったそうです。

 北部振興策について。年間100億円、10年間で1000億円の予算がついているそうです。北部では1年間で100億円も使うことができない。無理して使おうとするからヤんバルの山は土木工事でズタズタ。本土の人もこんな馬鹿な予算を組むなと政府に言ってほしいと言っていました。

 また、漁師の人達が辺野古の反対運動に加わり、作業船は現場へ近づけなくなっているそうです。漁師の人達は今、イカ漁や種まきで年間でも大変忙しい時期だそうですが、辺野古に船を出してくれているそうです。まだ1本もボーリング調査の穴をあけられていない、また防衛施設局にしてみれば早くあけたい、という攻防が続いているそうです。台座の柱がサンゴを壊し、県の環境を担当している部署へ抗議に行った時の話をしてくれました。破壊されたサンゴの写真を見せた時に返ってきた言葉は、「(死んでいるのか)サンゴに聞かなければわからない」「壊れたのはサンゴ礁であってサンゴではない。サンゴとサンゴ礁は別の物」「那覇防衛施設局がちゃんとやると言っているから大丈夫。現場を見に行く必要はない」「辺野古はランク1に指定してある(沖縄でも最も自然が残っている場所である)」等々。役人という輩はどこへ行っても変わらない。こういう人達の給料が私達の税金から払われていると思うと情けなくなります。でもこれが日本ですね。

――「風の里」――

 「人は誰でも誰かとつながっていたい。」ケンローチ監督作品「ブレッド&ローズ」のパンフレットにある言葉で印象に残っています。「風の里」で会ったSさんは、人と人の繋がりが最も大切で、今の世の中はその大切なものを忘れている、と力説していました。まず地元漁民に金をばら撒き反対できないようにしておく。その後どんなに反対運動が起こっても地元が賛成しているのだからと(ヘリポート基地)建設を進めていく。人間関係がズタズタにされてしまう。

 今回の「風の里」では、元気な高江洲さん夫妻、久高島のナビイさん、福岡出身の明子さんのスタッフと上記のSさんにお会いすることができました。「風の里」におじゃました1229日は久しぶりの晴天。景色の良さと共に柔らかく優しい空気が流れていました。そんな雰囲気の中で高江洲さんから沖縄の近況を伺いました。知事選はやはり一番の関心事です。次回もし負けてしまったら辺野古のヘリ基地建設は一段と加速されてしまい、沖縄は取り返しのつかない傷を負ってしまうのではないでしょうか。反対派を統一できれば勝てる、勝てる統一候補は誰になるのでしょうか?また、那覇市長選の投票率が51%だったことに大変落胆していました。もう少し皆が選挙に関心を持ってくれたら異なった結果になる可能性もあったのだと思います。

 「風の里」に安心できるスタッフも揃い、大変元気になられた様子でした。フェアトレードの相手のネパールでも、苦しくなっている中でも一生懸命頑張っている人達の話を聞かせてもらい、元気をもらってきました。

 Sさんは病気のため耳が聞こえませんでした。また進行性の病気で視力も衰えているそうです。ただ高校生までは健康で、話し方は普通に話すことができました。でもSさんはそんな病気を感じさせない程元気で、精力的で明るく、前向きに生きている青年でした。大変苦労してパソコンを勉強し、メル友が作ったというトントンミーの写真入りカレンダーを高江洲さんにプレゼントしていました。

 久高島のナビイさんには沖縄の神様について聞きました。沖縄の護岸がコンクリートで固められてしまい、神様が上陸できなくなっている。そんな意味でも辺野古のヘリ基地には反対だと言っていました。沖縄の霊のことは本土の人間が分からないことがいっぱい。私達には見えていないものがナビイさんには見えているのだと思います。またナビイさんが知り合いのウミンチュに話したことがきっかけになり、辺野古の周りの漁師がヘリ基地に反対し始めたそうです。辺野古の漁協はヘリ基地に賛成していますが、周りの漁師が反対し始めたことは反対運動にとっても大きい出来事です。

 「風の里」に行くと高江洲さんとお話できると共に、必ず魅力的な人達に会うことができます。そして明子さんの美味しい料理(今回はガーリックトーストとおにぎりをご馳走になりました)、忘れてはいけないニヘイデビール。読者の皆さん、沖縄へ行ったら佐敷町の「風の里」へ行ってみて下さい。必ずいいことがあります。               (池)

――米軍ヘリ墜落現場と辺野古――

 813日、墜落・炎上した米軍ヘリが破壊した沖縄国際大学1号館校舎と樹木はその痛ましい姿をそのまま残し、ここが米軍占領下の危険な島であることを無言で告発し続けている。この事故(事件)を口実に日本政府がとった行動は、辺野古ヘリ基地ボーリング調査開始であった。県民の8割が反対するこの工事に関連し、1227日夕刻、沖縄地元2紙(沖縄タイムス、琉球新報)やTV各局は、住民ら原告68名による「ボーリング調査差し止め」那覇地裁提訴を大きく報じた。普天間飛行場移設(=県内新基地建設)が国内の司法の場で始めて争われる裁判であり、419日以来の現地での座りこみや海上での反対行動でケガ人が出るという緊迫した状況下での提訴に、地元マスコミや市民の関心は高い(ヘリ墜落事件と同様「辺野古」に対する日本本土の関心はあまりに低い)。この日、「座りこみテント村」に提訴の報告に戻った原告団を、地元反対派の住民と数十人の支援者の拍手が迎えた。「ボーリング調査阻止、新基地建設反対」の闘いは、これまでの阻止行動とこの裁判闘争を並行して闘うことになる。現地では座りこみへの人的支援と同時に財政的支援を強く求めている。

 「座りこみテント村」にはさまざまな人達が集まる。現地のオバー・オジーを始め、漁師、大学を休んで駆けつけている若者、休み毎に駆けつける人達、親子連れ、県内外の労組・平和団体、旅行社が募った平和ツアー、個人・・そこは闘いの最前線であり、学習の場であり、文化・活動の交流の場である。そしてその共通の思いは闘いの勝利への熱い思いだ。

 私達はこの辺野古の熱くしなやかな闘いから多くの知恵とエネルギーをいただいた。これからの浜松での闘いに生かしていきたいと思う。                   (井)