内閣総理大臣 安倍晋三                 2007322

 

対北朝鮮制裁・在日コリアンへの人権侵害の中止と
対話による 戦争も核もない平和な東北アジアの実現を求める共同声明

 

小泉内閣を引き継いだ安倍新内閣は、公然と任期内の改憲を掲げ、昨年末には教育基本法改悪、防衛省昇格と自衛隊の海外派遣を本来任務とする法律を通過させました。

これらの動きは、世界的規模の米軍再編や米ブッシュ政権によるイラク侵略戦争への無条件支持と追随、そして対北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)強硬策、在日コリアンへの弾圧や人権侵害などと表裏一体です。

また一歩「戦争のできる国」への道が強まったと言わざるをえません。

北朝鮮のミサイル演習と核実験発表で、いま安倍政権はここぞとばかりに好戦的態度を示し、独自制裁まで強行しています。これらは在日コリアンの祖国往来に障害となるなど人権侵害をもたらしています。さらに政府・公安当局は、こうした雰囲気に乗じて在日コリアン、とりわけ在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)と関連団体に対する政治的な弾圧を集中しています。

日本政府の政策が、日本社会に今なお根深く残る在日コリアンへの差別を再生産し、朝鮮学校生徒たちに対する嫌がらせ、暴行・暴言、朝鮮総聯施設に対するテロ的攻撃をも助長していると言わざるをえません。日頃「テロ対策」を声高に唱える政府やマスコミが、在日コリアンに向けられたテロに対しては沈黙し続けているのはなぜでしょうか。

朝鮮半島の平和と非核化の鍵は、形式はどうであれ、実質的な米朝交渉により、半世紀以上にも及ぶ米朝の停戦(準戦時)状態を終わらせて恒久的平和体制へ移行し、対話による米朝・日朝国交樹立、検証可能な形での朝鮮半島の非核化など、朝鮮半島問題の包括的な解決を実現する以外に道はありません。だからこそ、20059月の「六カ国共同声明」も、@朝鮮半島の検証可能な形での非核化、A米朝・日朝国交正常化に向けた措置、B朝鮮半島の恒久的平和体制に向けた協議の開始−等の包括的実現をめざすことで六カ国すべてが合意しているのです。

この間、六カ国協議再開のため、米国が新たに設けた障害である金融制裁の解除問題を含め、米朝二国間協議が繰り返し開かれるようになっています。対話なき圧力一辺倒政策をとる安倍政権は、今や米国政府を含む六カ国協議参加国の中でも孤立した存在となりつつあります。

私たちは、日本と朝鮮半島、アジアの人々との真の和解と友好を心から願い、戦争も核もない平和な東北アジアの実現を求める立場から、共同して以下の要求を行います。

 

1. 日本政府は制裁を解除し、在日コリアンへの人権侵害・弾圧を直ちに中止すること。
 2. 日本政府は圧力一辺倒政策を転換し、ピョンヤン宣言を基礎に対話を通じて日朝国交正常化の実現を速やかに図ること。

 

団体名のみ掲載・個人名略

日韓民衆連帯全国ネットワーク、

「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン)、

基地はいらない!女たちの全国ネット、

新しい反安保行動をつくる実行委員会?、

許すな!憲法改悪・市民連絡会、

在日韓国民主統一連合、

北朝鮮人道支援ネットワーク・ジャパン(ハンク・ネット)、

アジア共同行動日本連絡会議、

アジェンダ・プロジェクト、

アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会

うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会、

海老名解放教育研究協議会、

共生のまち−狛江をめざす会、

熊本朝鮮会館問題を考える市民の会、

第九条の会ヒロシマ、

憲法を生かす会岡山、

憲法を生かす会東京連絡会、

国連・憲法問題研究会、

国労姶良伊佐闘争団、

在日韓国青年同盟東京都本部、

在日韓国民主統一連合東京都本部、

佐賀カトリック正義と平和協議会、

山谷労働者福祉会館活動委員会、

市民意見広告運動の会、

人権平和・浜松、

新社会党東京都本部

優れたドキュメンタリーを観る会、

セルフ・エスティーム・リンケージ、

全関東単一労働組合、

対話で平和を!日朝関係を考える神戸ネットワーク、

だまっちゃらんない・神奈川市民の会、

日本山妙法寺、

日本の戦後責任を清算するため行動する北海道の会

ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、

反天皇制運動連絡会、

ピースサイクル三多摩ネット、

ピープルズ・プラン研究所、

ひきこもり九条の会、

ベルリン女の会、

不戦へのネットワーク、

ほっかいどうピースネット、

本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS)、

労働運動活動者評議会、

労働者共闘、