NEW YORKの旅

 

 ‘02年12月23日から30日まで一週間、アメリカへ行って来ました。国としてはあまり興味がわかないのですが、友人が留学したの機会に、また、このような時期ですから貿易センタービルの跡地ぐらいは見て来ようという心積もりで出かけました。

 出発は23日、NYに着いたのも23日。少し心細かった入国手続きも案外簡単で、また係員も親切でした。23日はNYのホテルに泊まり、24日、目的の貿易センタービル跡地へ行ってみました。跡地は非常に殺風景で単なる工事現場という感じでした。写真撮影をする人がチラホラいました。現場を隠す様子はないのですが、周囲は板で囲まれていました。車の出入り口から入ろうとすると、現場監督らしき人が「あっちへ行け」と追い出しに来ました。脇に関係者の遺品が飾られており、そこで写真を撮って帰りました。

 思い起こせば、一昨年の9月11日午後10時頃、私はNHKのラジオニュースを聞いていました。アナウンサーが「アメリカの貿易センタービルに旅客機が突っ込んで炎上している模様です」と伝えていましたが、何か大変なことが起こっているという感覚もなく、ボンヤリと聞いていました。その後、もう一機がビルに突っ込み、そしてビルが崩壊しました。数千人が亡くなるという事件でした。そして、それ以後ブッシュによる力の政治が行使され、日本の小泉政権は忠犬のように後をついていくことになりました。

 もう一つここで報告しておきたいことは、27日に「A.N.S.W.E.R.」の事務所を訪ねたことです。「A.N.S.W.E.R.」とは「Act Now to Stop War & End Racism」(戦争と人種差別をやめさせるために今すぐ行動を)の略です。事務所は大変広く、雑然としていました。女性スタッフを中心に7〜8名の人々が仕事をしていました。私達が入って行くと大変丁寧に応対してくれました。特にCo-Coordinatorのデアドウル・スインノットさんにお世話になりました。昨年10月26日ワシントンで20万人、サンフランシスコで10万人、そして世界各地で数万人の人々が参加した集会がここから発信され、今度は1月18日の集会が世界に呼びかけられているのでした。以下に「A.N.S.W.E.R.」のHP、連絡先を記しますので、アクセスしてみてください。

  今回はわずか一週間の滞在でした。「アメリカがわかった」などとはとても言えないのですが、人種差別を感じずにはいられませんでした。友人はフィラデルフィアに住んでいるのですが、そこにSubway Surfaceという路面も走る地下鉄があります。それに何度か乗ったのですが、乗客の9割以上が黒人でした。また、スーパーのレジはほとんどが黒人です。12月24日、フィラデルフィアの教会でクリスマスイブのミサに参加しました。そこは米国では大きな方の教会で250人くらいの人が参加していましたが、その中に一人の黒人もいませんでした。NYで地下鉄に乗った時のことです。乗り込もうとして列に並んでいると、後ろからわざわざ私の肩をたたき「日本人は向こうだ」と言うのです。

 アメリカにも当然いい人はいっぱいいるでしょうし、今回も大変親切にしてくれた人もたくさんいました。しかし、有色人種を差別するということ、人間に上等・下等があるという考えが、彼ら米国人の沖縄・韓国等での人間を人間と思わない行為に繋がり、また、ブッシュのアフガニスタンやイラクに対する政策をも支えているのではないか、と今回の旅で感じました。                             

                                      (池)