7・18 強制動員真相究明ネットワーク結成

 2005年7月18日、東京で強制動員真相究明ネットワークが結成された。結成会場となった在日本韓国YMCA国際ホールには韓国をはじめ全国各地から140人が参加した。

 結成集会での記念講演では山田昭次・樋口雄一さんによって強制連行の実態や課題が提示された。そこでは強制連行問題は、真相が隠され補償以前の状態であり、生死もわからない遺族にとっては現在の問題であること、調査をすすめ強制連行の全体像を再構成しなおすことなどが示された。

来賓の挨拶が韓国の団体や民団や朝鮮人強制連行真相調査団などの在日団体からおこなわれた。日帝強占下強制動員被害真相究明委員会の崔鳳泰さんは戦争被害者の人権回復と韓日両国の平和インフラの構築の大切さを語り、太平洋戦争被害者補償推進協議会の李熙子さんは集めた江華島での強制連行名簿を提示しながら真相究明の重要性を訴えるとともに靖国への合祀を批判した。

メッセージの紹介の後、強制動員真相究明ネットワークの結成が宣言され、事務局から今後の活動方針が提示された。

各地からの報告では、防衛庁にある朝鮮人関連資料から見た朝鮮人軍人軍属数は約35万5千人であること、強制連行期の朝鮮人強制労働現場が1500箇所を超えること、東証第1部にはその連行責任を継承する企業が数多くありそれらの企業はその責任を取るべきであること、各地に朝鮮人遺骨が発見されているが、真相究明なしでの遺骨の返還をおこなってはならないこと、政府・企業にある厚生年金や供託などの名簿や連行資料などの公開、韓国人被爆者の実態調査開始の状況、日本軍性奴隷制の裁判で勝ち取ってきたことがら、立法による真相究明・被害者の救済と国民全体での共有化など、さまざまな意見や課題が提示された。

 結成集会では最後に、市民一人一人が日本政府を動かしていくことの大切さが語られ、遺骨問題は強制連行を象徴的に示すものであり、問題の突破口となることが提起された。

 真相究明の活動とそこで発見された真実は歴史の改ざんを浄化する力を持っている。韓国での15万件を超える真相究明要求に答える調査活動・史資料の集約と、法的措置が求められている。                                           (竹内)